福島南相馬市の18歳巣立ち応援事業が地域全体での支援を強化

福島県南相馬市の18歳巣立ち応援事業

福島県南相馬市では、2022年度から新たにスタートした「18歳巣立ち応援事業」が好評を博しています。この事業は、地域全体で子供たちを見守り、支援するという理念のもとに設立されたもので、18歳になる市民には5万円の祝い金が支給される仕組みです。若者たちが新たな一歩を踏み出す際に、その背中を地域が押すという思いが込められています。

地域の温かいメッセージ

この応援事業の象徴とも言えるのが、キャッチコピー「さぁ、行っといで。」です。この言葉には、市内に残るのか、市外に出ていくのか、それぞれの選択を尊重し、全ての18歳の若者に励ましを送りたいという想いが表れています。この言葉を受けて、今年度も全8種類の応援メッセージポスターが制作され、市内の公共施設や商業施設、および特定のスポットに掲示されます。

例えば、福島県立相馬支援学校の高校生や地域のスポーツチーム、さらには地元のプロサーファーなど多様なモデルが起用され、それぞれが特別なメッセージを届けています。これらのポスターは、地域住民の共感を呼び、感動を覚えさせるものとなっており、多くの人々にいきいきとした反応を引き起こしています。

卒業記念撮影会の開催

加えて、今回の活動では3月1日に、市内で卒業おめでとう撮影会も予定されています。このイベントは、高校の卒業式に合わせたもので、支給対象となる18歳の人たちとその家族や友人が一緒に参加できる機会となっています。撮影した写真はその場で提供されるため、思い出に残るひとときとなるでしょう。

地域全体の支援

南相馬市の取り組みは、ただ祝うだけにとどまりません。「お祝い金を渡すだけではなく、地域ぐるみで皆様を支えている」という気持ちを大切にし、特別なデザインの封筒で案内文書をお届けするなど、工夫が凝らされています。こうした取り組みは、地域内外での反響を呼び起こしています。

合計1,000名以上が恩恵に

実際、昨年度は約120人がこの撮影会に参加しており、これまでの祝い金支給対象者数は478名にのぼります。コミュニティの絆や温かさを感じるこの企画は、18歳の若者にとって唯一無二の体験となっており、成人を迎える際の特別なメッセージを提供するものとなっています。

地域に根ざした支援策

南相馬市は、子育て支援大賞を受賞しており、給食費や保育料、医療費などの負担軽減策も充実しています。「18歳巣立ち応援事業」はその一環であり、今後も地域全体での子育て支援に努めていく方針のようです。今後もこのような取り組みが他の地域にも広がることを期待します。南相馬市の挑戦とその実績から、私たちも学ぶべきことが多くあるのではないでしょうか。