ロヒンギャ難民の苦悩
2025-03-12 16:54:48

ロヒンギャ難民キャンプの厳しい状況と子どもたちの栄養問題

ロヒンギャ難民キャンプの厳しい状況と子どもたちの栄養問題



バングラデシュのコックスバザールに広がるロヒンギャ難民キャンプでは、重度急性栄養不良に苦しむ子どもたちの数が急増しています。2025年2月には、昨年同月と比べて27%増加し、その数は年々増える一方です。ユニセフは、この状況が多くの幼い命を脅かす飢餓を引き起こしていると警鐘を鳴らしています。

難民キャンプの現状



このキャンプには、100万人以上のロヒンギャ難民が住んでおり、そのうち約50万人が子どもです。現在、キャンプ内の子どもたちの15%以上が栄養不良の状態であり、これは2017年の危機以来、最も深刻な水準です。先日、ユニセフは約12,000人の5歳未満の子どもが重度の急性栄養不良に苦しんでおり、そのうち92%が治療を受け回復しましたが、継続的な支援が必要であると述べました。

危機の深刻化



2025年の初め、重度急性栄養不良の件数は前年に比べて25%増加し、2月にはさらに27%の急増がみられました。この急激な増加は、多くの要因が影響しています。特に2024年の長いモンスーンによる衛生状態の悪化や、コレラ、デング熱の集団感染、加えて食料配給の削減が、子どもたちの栄養状態に深刻な影響を及ぼしています。さらに避難してくる家族の増加も、状況を悪化させています。

ユニセフ・バングラデシュ事務所のラナ・フラワーズ代表は、現状においてロヒンギャの母親たちが不安を抱いていると語ります。「必要な支援サービスが提供されているものの、ニーズが急増する中、支援が続かなければどうなるのか、母親たちは不安でならない」とのことです。

子どもたちの未来



2025年には、さらに多くの子どもたちが重度の急性栄養不良に苦しむ可能性が高いと推測されています。不足する食料や衛生環境が子どもたちを絶えず脅かしているのが現状です。これらの子どもたちが適切な治療を受けられない場合、命が失われるリスクが高まります。

フラワーズ代表は「月わずか6ドルの支給では、基本的な栄養ニーズを満たすことができません」と警告しています。彼女は難民キャンプでの危機的な状況を具体的な事例を交えて語ります。25歳のヌル・カイダさんは、栄養不良の娘を助けるためにユニセフの診療所を訪れ、治療を受けさせました。治療後、娘は回復を見せますが、施設閉鎖の噂が広がる中での不安は大きいとのことでした。

持続的な支援の必要性



ロヒンギャ難民の方々は、安全に帰国もできず、法的権利も持たない中で苦しんでいます。持続的な人道支援は、彼らにとって選択肢ではなく、絶対に必要な要素です。ユニセフは、資金不足にもかかわらず、できる限りの支援を続ける意思を表明していますが、安定した資金の確保なしには重要な支援が脅かされてしまいます。

すべてのドナーに、子どもたちの生命をつなぐための支援を呼びかけています。ロヒンギャ難民は、人道的な支援のおかげで今日まで生き延びることができましたが、今後の資金危機が彼らの命を揺るがす可能性があることを忘れてはなりません。

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ロヒンギャ難民キャンプの状況や子どもたちの栄養問題について、我々ができる支援のあり方を考え、一人一人の声を届けていきましょう。


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