横手市の海ノ民話アニメーション『鳥の海』が完成
秋田県横手市で、新たに制作されたアニメーション「鳥の海」が完成し、2025年2月5日(水)にこのアニメの上映会と特別授業が行われました。このイベントにより、地域の小中学生が自らの町の歴史や文化を学び、海とのつながりを深める貴重な経験を得ることができました。
イベントの実施内容
今回のイベントは、一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団の協力を得て開催され、海を介して人と人がつながる取り組みの一環です。秋田県横手市の生涯学習館「Ao‐na」で行われた上映会には、朝倉小学校の4年生44人が参加しました。彼らにとって、身近な土地に根ざした民話を知ることは新たな発見の場となりました。
上映会当日、児童たちは初めて「鳥の海」を見ることに期待を寄せていました。大きなスクリーンと迫力ある音響で、アニメの世界に引き込まれていく姿が印象的でした。子どもたちは目を輝かせ、物語の中に没頭していました。
特別授業の内容
上映が終わった後は、特別授業も開かれました。この授業では、横手市教育委員会の文化財保護課の信太課長が地域の歴史や地理について説明しました。特に「明永」という地名や、アニメに登場する「そでやま」といった地名が今も存在することに、子どもたちは驚きの表情を見せていました。平安時代の干拓工事や水路整備の歴史も学ぶことで、地域の文化的背景を理解することができました。
次に、海ノ民話のまちプロジェクト事業プロデューサーの阪口あき子さんが登壇。民話の成り立ちや、その伝承の重要性について語りました。古くから語り継がれてきた物語が、アニメーションという形で再現されるまでには多くの人々の努力があることを伝え、子どもたちはその影響を感じ取っていました。
コラボクリアファイルの配布
この日、アニメ「鳥の海」を用いた副読本が横手市の小中学校で使われることが報告され、さらなる理解を深めるための取り組みとして、「鳥の海」コラボクリアファイルが約5000名の小中学生に配布されることも発表されました。朝倉小学校の代表として、児童たちは佐藤部長からクリアファイルを受け取りました。
参加者の反応
参加した児童たちからは、「鳥の海」の話を知らなかったが、こんな立派な物語があることに驚いたという声が多数聞かれました。また、「横手に生まれて良かったと思う」との感想もあり、地域の歴史に誇りを持つようになった様子が窺えます。さらに、アニメーションを通じて学びたいという意欲も高まり、先生方もワークショップの内容を積極的に活用していく意思を示していました。
今後の展望
「鳥の海」は地域の文化を次世代に引き継ぐ重要な作品として、多くの人々に愛されることを期待されています。参加した子どもたちが海との関わりを理解し、未来の海を大切に思う心を育むことが大切です。地域の絆を深めるためのこれからの取り組みも楽しみです。
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