琵琶湖と大阪湾の生物多様性を学ぶ新しい試み「しじみ調査隊」とは

琵琶湖と大阪湾の生物多様性を学ぶ「しじみ調査隊」

一般社団法人海と日本プロジェクトin滋賀県は、滋賀県内の小学5年生を対象に「しじみ調査隊」という学習体験イベントを8月の3日にわたり開催しました。このイベントは、琵琶湖と大阪湾における生物多様性について学ぶことを目的にしており、参加者たちはしじみを通して環境への理解を深めました。

初日の活動：しじみ漁体験

まず、調査隊の子どもたちは琵琶湖を訪れ、しじみ漁の体験を行いました。昔から使用されている8メートルの竿を使って、手掻き漁を実践。漁を通じて、そこには昔とは異なり、しじみの数が著しく減少している現状があることを学びました。漁師さんからの話では、しじみの漁獲量は昔に比べてなんと300分の1になっているということが明らかになり、驚きとともに自分たちの生活と密接に結びついている環境問題について考えさせられました。

琵琶湖の環境学習

続いて、琵琶湖環境科学研究センターの井上栄壮先生から、湖底に生息する貝の種類や生息環境について教えていただきました。特に、しじみの種類は色や形、大きさによって異なることが分かり、実際に参加者たちが捕まえたしじみを観察することで、知識を深めました。また、琵琶湖博物館では縄文時代中期の貝塚を見学し、当時のしじみの大きさや量に驚きを隠せない子どもたちの姿が印象的でした。

大阪湾の漁業と生物多様性

2日目は、大阪府の岸和田漁港に移動し、大阪府漁業協同組合連合会の岡修会長に、漁業の現状について教わりました。漁港で水揚げされたシラスを見学し、その鮮度を保つための工夫を学びました。さらに、その日の学びから、地球温暖化による影響が漁業に及ぼす影響についても理解を深めました。特に、琵琶湖の環境問題が大阪湾にも関係していることを実感し、参加者たちは環境保護に対してより強い責任感を持つようになりました。

生物調査と環境保護を意識

イベントの最終日には、滋賀県のO'PALで、琵琶湖の環境とその生物との相互関係についての講義が行われました。そこで、ヨシの生態やその環境保護の重要性について学び、実際にカヌーを使って琵琶湖を探検しました。初めは不安だった子どもたちも、次第に楽しさを感じながら探検し、環境の豊かさに触れることができました。

参加者の声

各日程を終えた後、参加した子どもや保護者からは、「しじみ漁が楽しかった」「琵琶湖と海のつながりの重要性を知った」との感想が寄せられました。この活動を通じて、しじみの減少が私たちの日常生活に影響を及ぼしていることや、自身ができる小さな行動が未来の環境に向けた一歩になることを学んだ参加者たちには、貴重な経験となったことでしょう。