水泳授業の新たな試み
2025-11-05 13:28:25

若吉浩二教授が水泳授業に関する研究で最優秀論文賞を受賞

若吉浩二教授、最優秀論文賞を受賞



このたび、人間科学部の若吉浩二教授が日本水泳水中運動学会の2025年次大会で「最優秀論文発表賞」を受賞しました。その受賞名の背景には、教授が開発した水泳補助具「フラットヘルパー」を活用した研究があります。この論文の題は「ペットボトル・フラットヘルパー活用による小学校水泳授業での実践的取組~泳力の二極化問題解消に向けて~」です。

研究の目的と内容



本研究の狙いは、小学生を対象に、「フラットヘルパー」を用いて水泳授業(出前授業)を行い、「安全水泳」と「泳法習得」の二つの重要な要素を同時に教えることです。日本の学校教育現場では、泳げる子どもと泳げない子どもが同じ授業を受けることが多く、教員にとってこの状況は大きな課題です。若吉教授の研究は、この問題を解決しようという試みなのです。

「フラットヘルパー」とは、ネット素材で作られたパンツの両側に浮力体を取り付けた水泳用具で、ペットボトルやビート板の素材も使えます。この道具の効果により、子どもたちは水中で体を水平に保ちやすく、自然と「浮く感覚」を獲得することができます。泳ぎが苦手な児童でも安心して水に親しむことができ、教員にとっても安全な指導がしやすくなる特徴があります。

授業の成果と児童の反応



授業内容では、水難事故を防ぐための基本的な浮き方「大の字浮き」を基盤にしつつ、両立すべき学習要素である「安全水泳」と「泳法習得」を融合させた授業が展開されました。その結果、授業後に行ったアンケートでは、95%以上の児童が「楽しかった」「分かりやすい」といった肯定的な回答を示しました。特に、水泳の経験がない児童でも本授業に対してポジティブな反応を示していることが明らかとなり、「フラットヘルパー」を活用した授業の有効性が実証されました。

研究費と今後の展望



若吉教授は、研究費に感謝の意を示しつつ、「本研究は科学研究費および本学の教育改革支援研究費から支援を受けています。これに感謝します」とコメントしました。教育現場で安全に水泳を指導することは全国的にも重要な課題です。今回の受賞は、限られた授業時間内で、すべての子供たちが安全に主体的に学べる水泳教育の在り方を探求した結果が高く評価されたものです。

学校水泳の場で、意欲的に学ぶ機会を提供することが求められる中、若吉教授の取り組みは今後もますます重要になってきます。彼の研究成果が、未来の水泳教育にどのように寄与するのか、引き続き注目していきたいと思います。


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