2025年2月15日、長崎県内で行われた「漁具店のお仕事やってみよう!」というイベントは、小中学生とその保護者を対象にした特別な体験でした。この取り組みは、一般社団法人地域みらい創造センターが主催し、参加者に対して地域の漁業やその支援に関連する仕事について学び、実際の体験を通じて海について考えてもらうことを目的としていました。
イベントの概要
このイベントは午前10時に開会式が行われ、その後、お仕事体験というプログラムに移りました。受付は午前9時45分から開始され、参加人数は小学生3名、中学生1名という小規模のものでしたが、内容は非常に充実していました。特に、子どもたちが参加した体験は、長崎市京泊にある兼子漁具で行われ、その場所は約80年にわたり長崎県内の漁業を支えてきた歴史があります。
漁業の現状を学ぶ
まず初めに、兼子漁具の兼子修治さんが用意した漁業に関するクイズを通じて、参加者は長崎県内の水揚げや漁業の現状について学びました。多くの種類の魚介類が水揚げされる現状や、私たちの生活とのつながりを知った子供たちは、漁業環境の悪化に驚き、海を守るためにどうすればいいのか積極的に質問をしていました。
その後、参加者は漁具や船具を実際に触りながら、その仕組みを学びました。初めて触れる道具を前に、不安そうにしながらも丁寧なスタッフのアドバイスのおかげで、真剣に取り組む姿が印象的でした。
世界に一つだけ!海洋ごみからアクセサリーづくり
さらに、子どもたちは海洋ごみを使ったアクセサリー作りにも挑戦しました。実際に使われる材料は、長崎県内の海岸に漂着した海洋ごみです。長崎県は北海道に次いで漂着するごみが多い地域であり、地域の環境保護に貢献するための取り組みとして、このアクセサリー作りが行われました。
兼子さんは、漁具や船具が長い間漂流することによって環境への影響を与える可能性があることを説明し、参加者はそのことに深く考えさせられました。さらに、海洋ごみの危険性を実感した子どもたちは、ゴミを捨てない大切さや海岸清掃の重要性についても理解を深めていました。
参加者の声
イベント終了後、子どもたちからは「長崎にはたくさんの魚がいることを知った」「魚を捕まえるために色々な道具が使われていると分かった」「私たちの食生活を支える仕事の大切さを感じた」「海を守るためにごみ拾いをしたい」という感想が寄せられました。また、保護者からは「漁具や船具について学べて面白かった」「子供たちには未来のために海を守る意識を持たせたい」との声もありました。
団体の取り組み
一般社団法人地域みらい創造センターは、「リアルな仕事」をテーマにしたお仕事体験プログラムを提供しています。子どもたちの好奇心や感受性を刺激し、地域の魅力を再発見させる取り組みを通じて、彼らの「生きる力」を育むことを目指しています。
海を未来に引き継ぐ
このイベントは、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環で、海の環境問題を知り、未来へ引き継ぐことの重要性を認識してもらうための活動です。子どもたちが自分たちの手で未来を創造するきっかけとなるこのような体験が、今後も多くの場所で広がることを期待しています。