日常生活におけるPHR活用がもたらす健康意識の変化
経済産業省が進める「令和6年度日常生活におけるPHRを活用したユースケース創出に向けた実証調査事業」に参画した太陽化学株式会社は、今月、最終報告書を公開しました。このプロジェクトでは、日常生活の中で健康を意識しやすい環境を創り出すことを目指し、コンビニエンスストアとの連携を通じて実証準備を行いました。
実証事業の概要と取り組み
太陽化学は、セブン-イレブン・ジャパンやセブンドリーム・ドットコムなどと共にコラボレーションし、多摩センター駅西店を研究の場として選びました。この実証事業には165名の利用者が参加し、商品のレコメンド効果を測定するため、体組成計やヘモグロビン推定値測定機器を用いた健康チェックを行いました。
参加者は、専用アプリを通じて自分の健康データ(歩数や睡眠データ)を記録し、そのデータを元にした商品提案が行われました。このデータに基づいて生活者の健康意識や行動の変化が観測されました。
健康意識の向上について
参加者の健康意識の変化について、アプリ参加前と参加後のアンケートを比較した結果、多くの人が健康への意識が高まったと回答しました。特に、日常的にアプリを利用することで、自身の健康状態についての理解が深まったと感じる人が多かったようです。これにより、日常生活の中での「いつの間にか健康」なライフスタイルが実現されつつあるとのデータが得られました。
健康無関心層への影響
興味深いことに、健康に対して無関心な参加者の中にも、購買行動に変化が見られました。具体的には、サラダチキンや豆腐、ヨーグルトなどの健康食品の購買が増加したとのことです。これにより、健康意識の変化は、直接的な行動変容だけでなく、購買意欲にも影響を及ぼす可能性が示唆されています。
商品カテゴリごとの健康への価値観
また、本プロジェクトでは、生活者が「健康」とは何か、という価値観が商品によって異なることも明らかになりました。例えば、パンに関しては低糖質が求められる一方、飲料においてはビタミンを手軽に摂取できる製品が好まれているとのことです。このように、人それぞれが求める健康の形が異なることが成功のカギとなるでしょう。
まとめ
本実証事業を通じて、PHRを利用したパーソナライズされた商品提案が、コンビニを利用する生活者の健康意識や購買行動に良い影響を与える可能性が示されました。太陽化学は引き続き、世界中の人々の健康を支援するために、日常生活の中で自然に健康を意識できる取り組みを進めていく方針です。
さらに、本実証事業の詳しい内容については、経済産業省のホームページで確認できる他、2025年に開催される健康フォーラムでも紹介される予定です。生活者にとってより健康的な選択肢を提供できるよう、太陽化学は今後も新たな挑戦を重ねていくでしょう。