ワコールホールディングスの中期経営計画2029
2023年、株式会社ワコールホールディングスは新しい中期経営計画「中期経営計画2029」を策定しました。この計画は2027年度から2029年度までの3年間にわたり、企業の収益力と成長を図るための戦略を示します。
1. 中期経営計画策定の背景
ワコールホールディングスは、変わりゆく事業環境に対応するために、急速な市場の変化や原材料価格の高騰、為替変動といった課題を考慮し、経営戦略を見直す必要があると認識しました。前回の中期経営計画では一部の施策が進展したものの、売上や事業利益は計画を下回る結果に。これにより、外部環境に対する理解不足や柔軟性の欠如が明らかになりました。これを踏まえて、企業構造の根本的な見直しを行うことにしました。
2. 中期経営計画の基本方針
「中期経営計画2029」では、二つの基本方針が掲げられています。一つは「既存事業の再構築」、もう一つは「新価値創造の強化」です。これにより、収益力を向上させつつ成長基盤を確立していく方針です。
国内事業に焦点を当てる
国内の事業においては、収益性を向上させるために、ボディデータを活用した新しいソリューションビジネス「エンパワーメント ソリューション」を展開します。また、インナーウェアを中心にして、B2BからD2Cへのチャネル転換を進め、不採算事業を見直すことも重要な施策です。
海外事業の成長戦略
海外事業では、欧米とアジアの二つの本部体制を確立し、地域特性に合わせた成長戦略を強化し、迅速な意思決定を推進します。これにより、競争力を高めることが目指されます。
3. 中期経営計画の数値目標
2029年3月期に目指す売上収益は約2010億円、事業利益は85億円となっており、企業全体の利益構造を向上させることを目指しています。また、将来的にはROEを7%以上にすることも掲げています。さらに、これらは2020年代のアプローチを見直すための数値目標でもあり、企業価値を長期的に向上させるための参照指標となっています。
4. VISION2030との関連
既に策定されている中長期戦略フレーム「VISION2030」に込められた目指す姿は変更ありませんが、現状の市場環境の変化を受け、定量目標と主な取り組みについて修正を行っています。これは企業が時代に適応している証です。
おわりに
ワコールホールディングスの「中期経営計画2029」は、企業の健全な成長と市場への適応という二つの目標を掲げています。この計画が進む中で、どのような新しい価値が生まれるのか、今後の展開に注目が集まっています。詳細については、同社のIRサイトをご覧ください。