思春期世代が求める新たな居場所とは?
2026年3月2日、東京都日比谷図書文化館にて、認定NPO法人3keysによる第28回Child Issue Seminarが開催されました。「つながりの過剰」と「ひとりの安心」をテーマに、現代の思春期世代に必要な居場所について幅広く議論が行われました。
生きづらさの正体を探る
このセミナーでは、筑波大学の土井隆義教授が基調講演を行い、子どもたちの抱える「生きづらさ」の深い背景について解説しました。青少年犯罪や不登校、自殺者数の推移を織り交ぜながら、経済的な要因や社会の変化が子どもたちの心情や人間関係にどのような影響を及ぼしているのかを具体的に分析しました。参加者にとって、現代の子どもたちが直面している課題がより明確に理解できる貴重な時間となりました。
アンケート結果から見えるニーズ
そして、北海道大学の加藤弘通准教授、早稲田大学の白田好彦研究員による「居場所に関するアンケート」結果の発表が行われました。全国の10代約4,000人を対象とした調査から、思春期世代の約33%が「非交流型の居場所」を求めていることが判明しました。彼らは、他人との交流よりも個々の「ひとり」や「秘匿性」を重視していることが新たな知見として浮かび上がったのです。これは、従来型の交流重視の支援が通用しない可能性を示しています。
非交流型居場所の実績と閉館
セミナーの後半では、3keysの代表理事である森山誉恵氏が、2021年から5年間運営してきた「非交流型・非プログラム型」のユースセンターの実践報告を行いました。この5年間、無事故で運営を続けてきた背景や、コロナ禍での苦労を振り返りつつ、残念ながらその場所を3月17日に閉館することを決定したことを参加者に伝えました。成果や反省を込めた報告は、多くの人々に深い印象を与えました。
新たな居場所の展望
さらに、港区の子ども若者支援部から矢ノ目真展氏が、2027年に新たな居場所を設立予定であるという計画を発表しました。3keysが支援してきた「非交流型居場所」が、行政に実装される非常に重要なステップであり、今後の展望に多くの希望が寄せられました。参加者たちは、彼の話を通じて、民間の取り組みが公的事業に反映される評価される流れを感じることができたでしょう。
トークセッションでの討論
最後に、こども家庭庁の大山宏氏や元港区子ども家庭支援センターの所長、保志幸子氏を交えたトークセッションが行われ、さまざまな立場から「非交流型居場所」の重要性について議論されました。それぞれの経験を基に、どのような居場所が求められるのかを探る貴重な交流がありました。参加者たちは、今後の子どもたちの支援策について多くの示唆を得ることができたのではないでしょうか。
感想と今後の展望
参加者からは「新しい形の居場所に魅力を感じた」という声が多く寄せられました。また、社会が子どもたちの自己表現の機会を奪っている現状に対する理解が深まりました。これまでの当たり前が通用しなくなっている中で、子どもたちが安心して過ごせる場をつくることの重要性が強調されています。
3keysは今後も、全ての子どもたちに必要な支援を提供し続けるため、セミナーを通じた活動を行っていきます。子どもたちの権利が確保される社会を築くために、一緒に考えていきたいと思います。
開催情報
このセミナーのアーカイブ動画(有料)は、4月1日より配信開始予定です。興味のある方は、68: https://cis28archive.peatix.com/view でぜひお申し込みください。