物価高が引き起こす子どもたちの体験機会の減少
近年、物価高の影響を受け子育て世帯が直面している問題は深刻です。福岡県のNPO法人であるKids Future Passport(以下、KFP)は、子どもの食事支援のみならず、体験機会の増加を目指す取り組みも行っています。そんな中、2026年8月に行った調査において、88.4%もの子育て世帯が「子どものやりたいことを我慢させた経験がある」と回答しました。この調査は、物価の高騰が家庭の経済にどのように影響しているかを明らかにするもので、1,379名の「こどもごちめし」会員から得た結果です。
調査背景と目的
KFPは、子どもたちの食事や栄養の不安について92.3%の保護者が感じている状況を受けて、物価高が子どもの体験機会に及ぼす影響を調べるための調査を実施しました。その結果、外食や旅行、遊びに行くことなど、多くの家庭で子どもに我慢させるケースが多いことが分かりました。こうした状況の中で、11年ぶりに訪れるシルバーウィークが近づいています。この連休を控えた中での外出予定にも影響が出ているのです。
調査結果の詳細
1.
我慢させる経験が多い
調査によると、88.4%の家庭が子どもにやりたいことを我慢させた経験があります。具体的には、外食が63.5%、イベントへのお出かけが62.3%、旅行は53.7%にのぼり、さまざまな楽しみが制限されています。
2.
シルバーウィークの計画に影響
41.7%の家庭が物価高や家計を理由にシルバーウィークの予定を控えるか取りやめると回答しました。「旅行」を予定している家庭は74.8%で、遊園地や映画、イベントなども高い率で控える傾向にあります。
3.
体験への希望と妨げる要因
94.4%の保護者が、子どもに旅行やお出かけをさせたいと考えていますが、主な障壁は「経済的理由」であり、59.0%が生活費や食費をこれ以上減らす余地がないと答えていることからもその厳しさが伺えます。
保護者たちの声
自由記述の中では、「食べさせるのが精いっぱいで、新しい洋服も買ってあげられない」、「子どもに我慢をさせることがストレスになり、学育に影響を及ぼすのではないか」、「教育に十分な資金を使えず、授業以外の活動が困難だ」といった切実な声が寄せられています。これらは、厳しい家計状況の中で子どもに良い体験をさせたいと思う親たちの悩みを如実に表しています。
見えた課題と今後の取り組み
今回の調査から、物価高が子どもたちの体験機会に深刻な影響を与えていることが明らかになりました。特に、経済的な理由からの制限が家庭に広がっています。KFPは、地域の飲食店を利用した「こどもごちめし」というサービスを通じて、単なる食事支援を超え、子どもたちに選ぶ楽しみを提供しようとしています。
子どもたちの体験の機会が経済状況に左右されることのない社会を目指し、食事の支援とともに、さまざまな体験の機会を家庭だけでなく、地域全体で支えていく必要があります。家庭の経済に左右されずに、すべての子どもが豊かな経験を享受できる社会の実現に向けて、私たち大人がどのようにサポートできるか考えていくことが求められています。
まとめ
今後も、物価高が家庭に与える影響に対する理解を深め、支援の手を広げる活動がますます重要となります。「こどもごちめし」を通じて、子どもたちが多様な体験を持てる機会を提供し、すべての子どもが自らの成長を楽しめるような環境を整備していくことが、私たちに求められているのです。