丸亀製麺が実践するアップサイクルプロジェクト
丸亀製麺の運営を行う株式会社トリドールホールディングスは、ユニフォームのリサイクルを通じて環境意識を育む「つなぐ制服プロジェクト」を開始しました。このプロジェクトでは、廃棄されるユニフォームを新たなユニフォーム、具体的には前掛けに生まれ変わらせる取り組みが進められています。
1.背景と目的
飲食業界では、従業員の快適な労働環境を整える一方で、使用済みユニフォームの廃棄が環境に与える影響も無視できない問題となっています。このため、トリドールHDが2021年にクラボウ、タイコーコーポレーションと協力し、作業環境を改善するとともに環境負荷を軽減するユニフォームを共同開発しました。
さらに、この取り組みを進化させ、ユニフォームを廃棄することなく有効活用しようという動きが始まりました。このプロジェクトにより、同時に廃棄物の削減と循環型経済への移行を図ります。特に、ユニフォームに使用される素材の複雑性から、リサイクルは困難を伴うため、各社の強みを結集して新たな価値を創出します。
2.プロジェクトの内容と進行状況
このプロジェクトの第一段階では、西日本の一部店舗で既存のユニフォームから約1,600枚の上着、ズボン、三角巾、前掛けを回収し、これらをリサイクルして新たに約4,000枚の前掛けが製作されています。前掛けはお客様の目に触れる頻度が高いため、店舗内の環境への取り組みを直接実感してもらえるきっかけとなります。
今後は、店舗での従業員参加型の活動を強化し、環境意識を広めるための発信を行うことで、さらに多くの人々にサステナビリティの重要性を理解してもらうことを目指します。
3.3社の役割と協力関係
プロジェクトに参加している3社はそれぞれ異なる専門分野を持っています。トリドールHDは使用済みユニフォームの回収と情報発信を担当し、クラボウは自社の技術を駆使して再資源化を行います。タイコーコーポレーションはユニフォームの企画から製造・回収の統括管理を行い、三者の協力によってこのプロジェクトが成り立っています。
このように、互いの強みを活かし、分野を超えた連携が新しい環境意識を育む道を切り拓くのです。特に、一般社団法人としてサステナビリティの実現を目指しているトリドールHDの姿勢が、クラボウの先進的なリサイクル技術と結びつくことで、参加企業間の信頼を高めています。
4.今後への展望
今後も「つなぐ制服プロジェクト」は、店舗への導入を広げ、さらに多くのユニフォームをアップサイクルする計画です。立ち上げから数年のうちに、多くのユニフォームが新たな形で生まれ変わることが期待されています。この取り組みを継続的に発表し、他の企業や業界への広がりも見込んでいます。
参加企業が一丸となり、持続可能な社会を実現していくことを目指すこのプロジェクトは、丸亀製麺のブランドの新たな価値を創出するだけでなく、消費者にもサステナビリティの大切さを伝える良い機会となるでしょう。
私たちも、こうした取り組みを応援し、環境に優しい選択を実践していくことが求められています。丸亀製麺の新たな試みを通じて、私たちの生活にもポジティブな変化がもたらされることを期待しましょう。