現在と未来をつなぐ新ビジョン
一般社団法人日本建設業連合会(以下「日建連」)は、新たな長期ビジョン「スマートなけんせつのチカラで未来を切り拓く-建設業の長期ビジョン2.0-」を策定しました。このビジョンは、2050年を見据えた建設業の姿を描き、未来を担う若者たちに夢や希望を抱かせることを目的としています。
建設業の現状と未来に向けた課題
日建連は、2035年の担い手不足がさらに深刻化する中で、建設業が直面する課題を「生産性向上」と「入職者の増加」を通じて克服していくための提言を行っています。少子高齢化が進む日本において、労働力の確保は急務です。特に、2050年には生産年齢人口が著しく減少すると予測され、建設業への人材獲得競争はさらに激化することが懸念されています。
新長期ビジョンの重要性
今なぜ新たなビジョンを策定する必要があるのかと言えば、2015年の旧ビジョンが一定の成果を上げているものの、技能労働者の減少が続いていることや、処遇の改善が思うように進まないからです。長期的には建設業が日本経済において果たす役割は重要であり、それを支えるための人材と環境を整える必要があります。
特に、資材価格の高騰や労務費の上昇が顕著になりつつあり、建設業者は厳しい経営状況に直面しています。したがって、発注者と建設業者との関係性を見直し、持続可能な経営基盤の構築が求められています。
技術革新の影響
一方、近年のデジタル技術やAIの進化は驚異的で、建設業の生産性向上に大きく寄与する可能性があります。これにより、従来の労働集約型の業種が変革し、多くの若者にとって魅力的な職場になるかもしれません。新しいビジョンでは、こうした技術革新を取り入れながら、建設業の未来を描いています。
ビジョンの構成
この新しいビジョンは、大きく「はじめに」「第Ⅰ部」「第Ⅱ部」「第Ⅲ部」といった構成になっています。第Ⅰ部では2050年までの時代を見据えた建設業の役割や姿を示し、未来を担う若者からの意見を集めた「未来予想図」を紹介します。これは若い世代が抱く建設業のイメージを形にしたもので、業界に対する理解を深める意図があります。
第Ⅱ部では、2035年までの市場推計を行い、建設業が未来に向けた進化の道筋を示しています。これにより、建設業が当面の危機を乗り越え、活力ある業界となるための具体的な方策が提示されます。
第Ⅲ部では、建設業が信頼される基盤を築くために取り組むべき事項が提示され、多くの関係者が協力して進めていく必要があることが示されています。
まとめ
この新しい長期ビジョンは、建設業が未来に向けて持続可能な成長を遂げるための指針です。未来の子どもたちが誇りを持てる建設業を創るためには、業界全体での取り組みが不可欠です。
詳細情報
詳細については、日建連の特設サイトをご覧ください。
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