ホシザキ、米食品ショーケースメーカーを買収し新たな成長へ

ホシザキ株式会社がアメリカの食品ショーケースメーカーを買収

愛知県豊明市に本社を置くホシザキ株式会社が、2023年6月12日（日本時間）にアメリカの大手食品ショーケースメーカーであるStructural Concepts Corporation（以下、SC）の買収契約を締結したことを発表しました。この買収は、米国市場での競争力を高めるための重要な戦略の一環であり、2025年7月末ごろのクロージングを予定しています。

ストラクチュアル・コンセプツの強み

SCは、1972年に設立されたミシガン州ノートン・ショアーズを拠点とするショーケースメーカーです。彼らは高品質な冷凍・冷蔵ショーケースを製造しており、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、レストランなど、様々な業種のニーズに応えています。特に、米国内での自社製造や高度な自動化技術によって高い収益性を実現しています。

SCは業界のリーダーとして、製品の温度管理の向上や自然冷媒の導入、最新の自動精算技術を備えた自動販売機の開発など、持続可能性やイノベーションに力を入れてきました。これにより、成長市場であるフードサービスやスーパーマーケットでのさらなる成長が見込まれています。

ホシザキの展望

この買収により、ホシザキグループは米国地域における商品ラインナップを大幅に拡充することが可能になります。グループ内の販売チャネルを共用することで、より広範な顧客層へアプローチできるようになり、例えばコンビニなどでも新しいビジネスモデルを展開する期待が高まります。また、生産部材の共同購入やサービスネットワークの共有によるシナジー効果も見込まれ、全体の業務効率化に繋がることが期待されています。

買収の仕組み

ホシザキは、米国の持株会社HOSHIZAKI USA HOLDINGS INC.（通称HAHD）を通じて、SCの親会社であるSC Holding Corp.（通称SCHD）を買収する形を取ります。この買収には、逆三角合併方式が採用され、合併契約に基づいて設立された買収用子会社Alliance Acquisition I, Inc.（通称SPC）がSNHに吸収合併されます。

この手法により、HAHDはSCHDの株主に現金を支払い、同時にHAHDが保有する全てのSPCの株式を存続会社であるSCHDの普通株式に変換します。結果として、HAHDはSCHDの発行済み株式の100%を取得し、SCHDとSCはHAHDの完全子会社になります。

業界での位置付け

ストラクチュアル・コンセプツは、米国内において高品質な食品陳列用ショーケースを提供し続け、顧客のニーズに応えてきました。彼らの提供する製品は、単に食品を陳列するだけでなく、視覚的な魅力を引き出しつつ、食品の保存状態を一層向上させています。

今回の買収は、ホシザキにとってさらなる成長の機会を意味しており、持続可能で革新的な事業運営を実現する仲間としてSCを迎え入れることが大きな期待となっています。競争が激化する現代のビジネス環境において、ホシザキがどのように新たな価値を提供していくのか、今後の動向に注目が集まります。