子どもたちの心を癒す「居場所」の展示会
千葉市稲毛出身の作家HIDERU(田中英明)による個展「くろねこといっしょにせかいのたびへ展」が、2025年11月24日から30日まで開催されます。今回は、特に不登校や孤独を感じている子どもたちをテーマにした作品が展示され、「ここにも居場所がある」とのメッセージが込められています。
不登校問題の現状
文部科学省の最新調査では、日本全体で不登校の小中学生が35万人に達したことが報告されています。これは過去最多の数字であり、特に現代の子どもたちはSNSやAIの普及により、孤立や不安を抱えることが増えています。そうした時代背景を考えると、HIDERUさん自身の子ども時代の体験とも重なります。彼もまた、孤独を感じた一人の子どもでした。
「学校に居場所がない」と感じる子どもたちに向けて、好きなことが世界を広げ、自分は一人ではないということを感じてもらうために、個展を開催することに決めました。そのため、ぜひ多くの親子や子どもたちに足を運んでもらいたいと願っています。
展覧会の概要
この展覧会は、千葉市民ギャラリーいなげ第2展示室で行われ、約20点の作品が展示される予定です。入場料は無料で、たくさんの人々にアートを通じて心のつながりを感じてほしいという思いが込められています。また、手作りの絵本も展示される予定です。日時は、初日の11月24日は午後1時から、最終日の30日は午後4時まで、25日は休館日となっています。
デジタル千切り絵の魅力
今回の個展で特に注目されるのは、HIDERUさんの「デジタル千切り絵」と呼ばれる独自の技法です。和紙で作成した千切り絵の断片をPC上で再構成し、スキャン後にさらにアクリル絵の具や金箔を使って彩色するという手法は、アナログとデジタルの良さを融合させています。この技法の背景には、手作業の良さを再認識したいという思いもあります。
子どもたちへのメッセージ
HIDERUさんは、東京・中目黒でアート教室を主宰しており、子どもたちが自ら考え表現することの楽しみを教えています。しかし中には、不登校の子どもや通園を拒む子どもたちもおり、その状況を改善するための試みとして展覧会を開催することにしました。「世界とつながる方法」を見つけるための手助けとして、この展示会が一助となることを願っています。
HIDERUさんの思い
「やさしい気持ちも辛い気持ちも、すべての感情が絵の中で調和し、最後には楽しさに変わる瞬間を大切にしたい」と語るHIDERUさん。彼の作品を通じて、黒猫が冒険する様子を見せることで、観る人々に心の旅を体験してほしいとの思いも込められています。現代のデジタル社会の中で、手作業の大切さを感じ取り、心の豊かさを再確認するひとときになります。
ぜひこの機会に
不登校や孤独を感じている全ての子どもたちに向けて開催されるこの展示会は、心の「居場所」を見つけるきっかけになるかもしれません。アートを通して、心のつながりを感じられる素敵な時間をお過ごしください。お待ちしています。