クラフトフェア ツギノテが目指す、次代へつながるものづくりの未来
富山県高岡市で2025年10月18日と19日に開催された「クラフトフェア ツギノテ」。このイベントは、ものづくりに関わるさまざまな人々をつなぎ、地域産業の新しい形を創り上げる実行委員会によって実現されました。3年目を迎えた今年は、来場者数が6,827人を超え、特に子どもを連れた家族が多く訪れ、ものづくりに触れる機会が増えたことが大きな話題となりました。
積極的なコミュニティ形成
ツギノテ実行委員会は、地域住民だけでなく、職人、企業、行政を巻き込む形で新たな「つくる人」を育てていくことを目指しています。地域の魅力を再発見する場として、参加者が工房や企業のブースを訪れ、ものづくりの実演を見たり、子どもたちが小さな工場探検を体験したりしました。
地域の産業活性化
同イベントの特筆すべき点は、工場そのものを集める斬新な発想です。多くの人が工場を一箇所に集めることで、さまざまな職人や企業の交流が促進されました。これにより、来場者は減少することなく、むしろ前年比1.8倍の来場者を記録し、地域のものづくりへの関心が高まっていることが伺えます。
実績と具体的な成果
特に目を引くのは、来場者の内訳。約30%が製造業に関与する関係者とういことです。さらに、参加者の中にはビジネス視察や情報収集を目的とした人も多く、出展者の71%が実際に商談を進めるなど、新たなビジネスチャンスが生まれるきっかけとなりました。
子どもたちへの影響
ツギノテの開催は、未来を担う子どもたちにとっても重要な意味を持ちます。子どもを連れた来場者が増加したことで、職人の技術を身近に感じ、ものづくりへの興味を育む機会が創出されました。実際に、来場者の多くがファミリー層であることが、次世代のものづくりを牽引していく糧となるのです。
新たな取り組みと未来へのビジョン
2025年度には新たに4つのプロジェクトも立ち上がりました。
1.
寿司文化×工芸: 富山の寿司文化をテーマにした工芸プロジェクト
2.
こども工作広場: 廃材を使った自由製作スペースの提供
3.
ごちペイプロジェクト: 経済的に限られた家庭への文化体験提供
4.
産地プロデューサー育成塾: 新しい人材の育成
これらの取り組みは、地域に根付くことを目指し、次代を担う人材を育てることに貢献しています。特に「ゼロ門」という育成塾は、地域の未来を担うプロデューサーを輩出することを目的とした中長期プログラムです。
総合的な経済効果
クラフトフェアツギノテの成功は、来場者の購買意欲の向上にもつながりました。専用商品券「ツギペイ」を導入したことで、380万円を超える売上が記録され、地域製造業の支援にもつながりました。出展者や来場者からは新たな顧客との接点が生まれたとの感謝の声も多数寄せられています。
私たちが目指すのは「ものづくりの未来を一緒に育てる」こと。ツギノテの取り組みは、ただのイベントではなく、新たな産業モデルの実験場として進化しています。クラフトフェア ツギノテが生んだ新しい価値と出会いが、これからのものづくりの可能性を広げていくのです。