福井県あわら市の小学生が挑戦した伝統菓子『とびつき団子』作り

福井県あわら市での伝統菓子『とびつき団子』作り

福井県あわら市の本荘小学校で、地域に伝わる伝統菓子『とびつき団子』の調理体験が行われました。このイベントは、JA福井県女性部の協力を得て実施されたもので、地元の食文化を子どもたちに伝えることを目的としています。子どもたちは、調理体験を通じて地域の伝統的な味や食文化の大切さを学び、食に対する理解を深めています。

『とびつき団子』の魅力

『とびつき団子』は、福井県あわら市や坂井市で親しまれてきた和菓子で、もち米で作った団子にササゲ（豆）をまぶした素朴な形状をしています。昔はお盆の供物として各家庭で作られていたことから、地域の食文化としての根深い歴史があります。子どもたちがこの日の調理体験に参加することで、ふるさと学習として地域の郷土料理にふれる機会が与えられました。

『とびつき団子』の基礎知識

- 特徴: とびつき団子は、もち米とともにうるち米を混ぜた団子に、煮て甘みを付けたササゲをまぶして作ります。ササゲが団子に飛びついたように見えることから名付けられました。この和菓子は、甘さ控えめで、老若男女問わず愛されています。地元の農家の家庭でも多くの人々に親しまれています。
- 名前の由来: 「とびつき団子」という名前は、ササゲが団子に飛び付く様子から来ているとされ、美味しさから手が伸びるとも考えられています。
- 歴史: 昔はお盆のお供え物としてだけでなく、結婚した女性が実家に帰省するときの手土産としても作られたそうです。甘味料が貴重だった時代背景から、塩やきな粉を加えて食べる習慣もありました。

現在の状況

高齢化が進む中で『とびつき団子』を製造する人が減少していますが、郷土料理を広める団体の活動や、和菓子店で復刻販売されるなど、地域の味は今も守られています。これらの試みは、子どもたちが食文化に触れる機会を作るための鍵となっています。

実際の体験

令和7年7月7日、本荘小学校で行われた調理体験では、JA福井県女性部の芦原地区顧問、土田ゆり子さんが講師を務め、地元の4年生が参加しました。子どもたちは、団子を作る手順を丁寧に教わりながら、実際に団子を作る喜びを体験しました。参加者の子どもたちは、地元の食文化を理解し、将来的に地域のお祝いごとなどに『とびつき団子』を作ることを楽しみにしているようです。

地域の他の郷土料理

あわら市には、地域の他の名物料理も多く存在します。たとえば、ごんぼ汁やあぶらげご飯、打ち豆汁などがあります。これらの料理も地域の食文化を象徴する存在として、学校給食にも取り入れられています。特に「おばあちゃんの味の日」として、毎月25日に伝承料理を紹介する取り組みが行われており、次世代への味の継承に力が入れられています。

あわら市の取り組みは、地域の味を愛し、次世代に伝える大切さを教える絶好の機会となっており、未来の食文化への架け橋となっています。