親・家族が綴る不登校の思い
2025年2月、ウェブメディア「不登校オンライン」にて実施された《大募集!みんなの不登校川柳》に、390句もの川柳が寄せられました。その中から228句が親や家族の視点で綴られ、心に響くメッセージが選ばれました。ここでは、受賞作品を通じて家族のリアルな感情をお伝えします。
五・七・五に込められた家族の思い
不登校は、本人のみならず家族全体に影響を及ぼします。親たちは、子どもが直面する困難を共に乗り越えようと二人三脚で歩んでいく中で、さまざまな感情を抱えています。葛藤に満ちた日々や、時には笑ってしまうような出来事、そして子どもが「生きていてくれるだけでいい」と思う愛情表現が、さまざまな川柳に表れています。
受賞作品の紹介
大賞受賞作
「何大事子供のいのちそれだけだ」
- - ペンネーム: 西瓜大好き
- - 受賞の背景: この作品は、子どもが完全に不登校になり、外出も拒否したときに、親が精神的に追い詰められた体験から生まれました。親としてのプレッシャーと、子どもに対する最大の願いが見事に表現されています。生きていてくれることを最優先に考えるようになったことで、親子関係に変化が訪れたことが示されています。
優秀賞受賞作
「良かれよりマイナスならぬと口つぐむ」
- - ペンネーム: たかとも
- - 作品の意味: この川柳について、親が善意で発した言葉が逆に子どもを傷つけることもあるというリアルな葛藤が込められています。支えたい気持ちがむしろ関係を悪化させないよう、親が言葉を選ぶ様子が描かれています。
佳作の中から
- - 行き渋り我も休んで添い寝する(はらは/父親)
- - 不登校時々家で親孝行(徳田ラッキー/母親)
- - ひきこもり見えない仲間異国にも(わをん/母親)
- - 起きられぬむすめ横目に猫の世話(ねこすがり/母親)
- - 君の背を眩しく送る心かな(みき/母親)
多様な家庭の思いや状況が反映された数々の作品は、「不登校オンライン」の記事内でじっくり読むことができます。
編集部からのメッセージ
「親・家族編」に選ばれた川柳は、実際の生活の中で、日々浮かぶ感情や思いを表現したものでした。時には励ましたいけれど、どう言葉をかければいいのか分からない日もあります。そんな日々の中で、「ただそばにいる」ことの大切さが川柳からも強く伝わってくるはずです。
不登校の子どもを見守る家族には絶対的な正解などありませんが、「生きていてくれればそれでいい」という思いが全ての親に共通する言葉かもしれません。皆さんの心の温かい想いを、少しでも支える存在になれれば幸いです。
不登校オンラインのご紹介
「不登校オンライン」は、不登校のお子さんを持つ家族を支えるためのウェブメディアです。保護者の体験談やお子さんの気持ち、専門家のインタビューを通じて、より良い支援のあり方を探る記事を提供しています。家族が抱える心の負担を軽くするための情報が満載です。
この記事を通じて、あなたも川柳の奥にある家族の思いや、子どもたちを支える勇気を感じ取っていただければと思います。