Z世代が語る新しいコミュニティの形とその実態
最近、株式会社プレマシードが実施した「Z世代のコミュニティ実態調査」から、今日の若者たちがどのようなコミュニティで生活し、どのように人間関係を築いているのかが明らかになりました。特に、コロナ禍以降に影響を受けたZ世代(1997〜2012年生まれ、主に2002〜2010年生まれの高校生)に焦点を当てています。
オフラインとオンラインの交差点
調査では、友人がいるコミュニティとして最も高い比率で「学校」と回答したのが89.3%。続いて「近所」が25.5%、「家族や親戚を含む親しい関係者」が18.7%でした。そして、最も注目すべきは「オンラインでの共通の趣味を持つコミュニティ」が11.2%を占めている点です。従来のコミュニティに加え、オンラインの存在感が浮き彫りになっています。
もちろん、リアルな関係性が根強い中で、オンラインでのつながりがどのように深化しているのかという点も重要なテーマです。
オンライン上の友人関係の実態
次に、SNSやオンラインで知り合った人との関係について調査した結果、82.2%が「趣味や推しの話が合えば、十分親しくなれると思う」と回答しました。一方で、81.7%が「会ったことのない人との関わりに不安を感じる」とも答えています。これらの結果から、オンラインとリアルの境界があいまいになりつつある一方で、不安を抱える気持ちも強いことが分かります。
深い関係と表面的な関係の二面性
友達の関係性については、70.6%が「狭く深い関係が多い」と回答しながらも、87.0%が「表面的な会話はするが、深い話はしない友達がいる」と答えています。このように、現代の若者たちは複数の関係性を巧みに使い分け、必要に応じて深い話ができる友達と、あまり深くない関係の友達との心理的な距離感を保っています。
SNSアカウントの多様性
また、SNSに関する質問では、70%以上の人が「Instagram」のアカウントを持ち、複数のアカウントを使い分けていることも分かりました。例えば、プライベート用や趣味用など、実に多様な使い方をしていることが窺えます。このような自己表現の場としてのSNSの役割は、特にZ世代において顕著です。
つながりの距離感
「人と関わるときに『ちょうどよい』と感じる距離感」が最も高かったのは「気軽に連絡がとれる関係」で46.3%でした。相手によって柔軟な関係を求めるのもポイントです。このように、Z世代はオープンな関係も求めつつ、息苦しさを感じていることが多いようです。なぜなら、密な関係から得られるプレッシャーを軽減したいというニーズが見え隠れするからです。
コミュニケーション疲れと孤独感
さらに、コミュニケーションに疲れを感じることがあると答えた割合は80.8%にも上ります。若者たちは、SNSで常に接続されていることがもたらす疲労感を抱えながら、孤独や悩みを感じることがよくあるようです。特に、自己肯定感が低下したり周囲に話せる友人がいないと感じると、孤独を強く感じるようです。
未来への選択
このような状況から、多くのZ世代が通信制高校など、柔軟な学びの場を選ぶ傾向が見て取れます。自らのペースで学び、好きなコミュニティを持ち、自分に合った環境を選ぶことができる通信制高校に移行する学生が増えています。これからの若者が自ら進んで選ぶ教育の在り方は、彼らにとっての新たな未来を切り開く突破口となるでしょう。
結論
今回の調査から、Z世代の日常や彼らのコミュニティの形成、また人間関係の変化が明らかになりました。家族や学校という従来の枠を超え、オンラインでのつながりがしっかりと根付く中、彼らはどのようにして自らの人間関係を築いていくのか。今後の動向に注目です。