中高生の疲労問題と睡眠不足の現状を探る
最近の調査によると、中高生の約7割が日常的な疲労を抱えており、その原因としてスマートフォンの長時間使用が挙げられています。このような現状は、特に中学への入学時に顕著で、睡眠の質や量に悪影響を及ぼしていることが明らかになってきました。
調査背景と目的
一般社団法人日本リカバリー協会と株式会社ベネクスが共同で実施した「ジュニア年代のリカバリー白書2025レポート Vol.1」では、リカバリー(休養・抗疲労)に着目し、特にジュニア世代における健康状態を調査しました。実施期間は2025年3月31日から4月10日まで、対象となったのは幼稚園児から高校生までの約3000名以上のサンプルです。
睡眠の実態
調査結果では、幼稚園児では9時間以上の睡眠を確保している割合が74.7%と高いのに対し、中学生以上になると睡眠時間が減少。特に、高校生では6-7時間が主流となり、6時間未満の短時間睡眠も増加しています。これは、年齢上昇とともに就寝時刻が遅くなることが大きな要因であり、中学生は22時台、高校生は23時台が最も一般的な就寝時刻となっています。
疲労感の増加
中高生の疲労を感じる割合は、年齢とともに増加。幼稚園児では元気な状態を保っている子が多いものの、中学生ではこの割合が30.8%にまで低下し、高校生でも65.8%が疲労を感じていると回答しています。このデータは、特に思春期以降の心身の負担が増加していることを示しています。学習時間の二極化も問題で、中学生の20.1%はほとんど学習しない一方で、45.6%は1時間以上の学習を行っています。
スマートフォンの影響
さらに、スマートフォンの使用時間が増加していることも深刻です。中学生では80.2%が1時間以上、大学生になると41.4%が3時間以上使用しています。これが就寝時刻を遅らせ、結果的に睡眠時間を短縮させる要因となっています。
対策と今後の課題
このような状況を受けて、家庭や学校での対策が急務です。テクノロジーの影響を受ける現代の子どもたちにとって、良質な睡眠を確保する方法や、疲労感を軽減するための活動が求められています。親や教育者が一丸となり、リカバリー推進のための環境作りが急がれます。
私たちの未来を担う子どもたちが、心身ともに健康でいられるよう、日常の小さな工夫から始めていくことが大切です。この調査結果をもとに、対話を生むきっかけをつくりましょう。