豊橋市立津田小学校、読書量が全国平均を超える成果
株式会社Yondemyが運営する子ども向けのオンライン習い事「ヨンデミー」が、愛知県豊橋市立津田小学校で実施した実証実験が大きな成果を挙げました。わずか1ヵ月で、児童一人当たりの読書量が全国平均の約2倍に達し、学校図書館での貸出冊数も前年比2.4倍と急増しています。これまで家庭でほとんど読書をしていなかった児童の41%が全国平均レベル以上の読書量を実現したことは、まさに新たな読書習慣の確立を示す事例と言えるでしょう。
突きつけられた「読解力低下」問題
近年、全国的に子どもたちの読解力の低下が懸念されています。特に2025年度の全国学力・学習状況調査では、小学6年生の成績が前年を下回り、記述式問題に対する正答率が低下傾向にあることが指摘されました。このような中、津田小学校でも「設問の意図を読み取れない児童が増えている」との懸念が寄せられ、何らかの対策が必要とされていました。
デジタルデバイスの普及が一因とされる「文字離れ」や、家庭での読書時間がゼロの児童が約4割にも達している現状は、教育関係者の間で大きな課題として認識されていました。そこで、津田小学校は2025年6月より、個々の子どもに寄り添った読書体験を提供する「ヨンデミー」の導入を決定しました。
学習の成果:圧倒的な読書量の増加
実施後、学校図書館の貸出冊数は前年比2.4倍にも達しました。特に、1年生ではなんと2.8倍という驚きの結果を記録。このたびの実証から、全国平均の1.5倍にあたる読了冊数の増加が確認されました。また、1年生では月平均59.2冊を読むに至り、導入から1ヶ月で全国平均を大きく上回る読書環境が整っています。
不読層の変化と読書習慣の形成
導入前のアンケートでは、39%の保護者が「全く読書をしていない」と回答するなど、読書習慣の定着が課題でした。しかし、ヨンデミーの導入後には、41%の児童が全国平均以上の冊数を達成し、家庭でも読書感想記録を行うなどの主体的な取り組みが見られました。これは本を介した新たな学びの文化の形成を示しています。
夏休みも続く自主的な学び
驚くことに、夏休み期間中においても全校生徒の71%が自主的に読書記録を続けています。中には30日以上欠かさず読み続けた児童もおり、これは彼らの学びへの意欲がいかに強いかを物語っています。
読書を通じたコミュニケーションの活性化
導入前には、児童の45%が「友達と本の話をしない」と答えていましたが、導入後は感想を共有する機会が増え、教室での会話が活発になっています。アプリの感想機能を活用し、自分のおすすめの本を友達に教え合う文化も広がっています。
読書ジャンルの拡大と教育効果
「ヨンデミー」の導入により、児童たちはこれまでの「学習漫画」ばかりではなく、新たなジャンルに挑戦する意欲を見せています。教育の質の向上にも寄与し、児童の姿勢や集中力にポジティブな変化も生じています。日本語を母語としない児童も、わずか2ヶ月で100冊を読了し、その成果に多くの保護者から感謝の声が寄せられています。
今後の展望と連携の強化
Yondemyは今回の成果を基に、読書習慣がまだ定着していない児童へのアプローチを強化する予定です。また、多彩なジャンルの選書の充実も図り、興味を持ってもらう機会を更に増やすことを目指しています。公教育機関や地域との連携を強化し、全国の子どもたちに質の高い読書体験を提供し続けることで、次世代の学びを支える取り組みを続けていきます。