中学受験を控える子どもたちと保護者の決断、重視する点は何か?
近年、中学受験を控えた家庭が増えてきました。特に公立中高一貫校の受検が注目される中、子どもや保護者がどのように志望校を選ぶのか、その背景を探る調査が行われました。株式会社栄光が実施したこの調査からは、受検生とその保護者の意思決定過程や重視するポイントが浮き彫りになっています。
母と子どもが主体の受験意識
調査によると、中学受検を最初に考えたのは41.5%が母親で、次いで36.9%が子ども本人となっています。また、志望校や併願校の選定については、過半数の55.4%が「子ども本人」が決めたと回答しており、昨年度より約5%増加しています。これは、保護者や塾の影響よりも子どもの意見が重要視されるようになっていることを示しています。
早期に決まる志望校
受検生に対する質問では、志望校を決定した時期が「小5」であると答えた割合が40.9%にのぼりました。公立中高一貫校受検生は、小学6年生で決定する割合が多いとされる私立・国立受検生と比較して、早期に志望校を決める傾向があります。これは地域的な制約が影響しているのかもしれません。
情報収集のスタイル
受検生の保護者に学校や受験情報の収集方法を尋ねたところ、約70%が「学校のホームページ」や「学校のイベント」を挙げています。これは、多くの家庭が公立学校からの直接の情報を重視していることを示しています。
学習面で重視するポイント
学習面で重視するポイントでは、受検生の73.9%、保護者の83.1%が「教育方針・校風」を挙げています。さらに、受検生は「学習に集中できる環境」を重視する一方で、保護者は「大学進学実績」を特に重視しています。このように、それぞれの視点が異なることが見て取れます。
学習面以外の重視点
文化祭や学校行事が盛んなことが受検生にとっては重要であり、在校生の雰囲気は両者に共通して重要視されています。一方で、保護者は通学の便利さや授業料などの経済的要因も重視する傾向が強いようです。
楽しい勉強体験
約8割の受検生が受検を通じて「勉強が楽しい」という感覚を持つようになったと回答しています。これは、受験勉強が単なる負担ではなく、自己成長の一環として楽しめる機会であることを示しています。
精神的支え
受検を乗り越える際の精神的支えについては、79.1%が「母」を挙げ、77.4%が「塾の先生」を挙げました。これは、家族や先生といった周囲の大人が特に重要なサポートを提供していることを示しています。
習い事との両立
習い事やクラブ活動を継続した受検生は39.2%にのぼり、受検勉強と両立する姿勢が見られます。これは、教育と趣味やスキルを融合させた成長として評価できるでしょう。
結論
中学受験を控えた子どもたちとその保護者が選択する際に重視する点は多岐にわたります。その中でも特に教育方針や校風、そして子ども自身が主体となって選定する意識の高まりが見受けられます。これからの受験環境において、こうした要素を理解し、支えることがますます重要になっていくでしょう。私たちもこの流れにしっかりと向き合っていかなければなりません。