こども食堂に参加することで芽生える信頼感と社交性の育み

子ども食堂に参加することで得られる多くの価値

最近、認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」による調査が実施され、こども食堂に参加することがもたらす影響について新たな知見が得られました。この調査は、小学1年生から中学3年生までの全国の子どもを対象に行われ、参加者と非参加者の比較を通じて、こども食堂がどのように子どもたちの成長に寄与しているのかを探りました。

調査の背景と目的

こども食堂は、全国に広がりを見せ、その数は1万箇所を超えました。しかし、まだすべての地域に気軽に立ち寄れる場所としての認識が定まっていない現状があります。この調査の目的は、こども食堂が持つ多様な価値や効果を可視化することで、地域社会や運営者の理解を深めることです。

参加者と非参加者の比較

調査の結果、こども食堂に参加している子どもたちは、地域への信頼感や社交性が高く、社会貢献意識も強い傾向が見られました。具体的には、地域の人々に「悩みを相談できる」と答えた参加者は74.6%に上り、非参加者の62.6%と比較して高いことが分かりました。また、地域やこども食堂を「居場所」と感じている割合も高く、65.2%の参加者がそう感じていると回答しました。

さらに、こども食堂への参加頻度が高いほど、友だちや家族との会話、笑顔が増える傾向が確認されました。これらの結果は、こども食堂が参加者の社会性や地域愛を育む役割を果たしていることを示しています。

孤独感と食生活の課題

興味深いことに、こども食堂に参加する子どもの中には孤独感や無力感を抱える子も少なくないことが調査で分かりました。参加者の48.4%が孤独を感じることがあると回答し、自己評価についても「自分は役に立たない」と思う子が53.0%に上ったのです。ただし、幸福感については78.6%が「幸せだ」と答えたものの、非参加者の86.8%には及びませんでした。

また、食生活においても、こども食堂の参加者は朝食を欠食する割合が高く、夕食を一人で食べることが多い傾向があることも分かりました。これにより、こども食堂が孤食や家庭内の孤立を緩和する場として機能する可能性が示唆されます。