深海研究スーパーキッズ育成プロジェクトin富山湾
日本の海を未来へ引き継ぐための大切な取り組みとして、2025年8月21日(木)に「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクトin富山湾」が開催されました。このイベントは、一般社団法人とやまミライラボが主催し、富山県滑川市と魚津市で実施されました。10名の小学5年生から中学2年生が参加し、次世代を担う子どもたちの成長を目指して、深海の魅力と海洋問題について学びました。
海洋問題に取り組むキッズたち
イベントのスタートは、参加したキッズたちが海洋ごみ問題に挑戦するためのカードゲーム「CHANGE FOR THE BLUE」を行うことから始まりました。地域ごとの現状と意識、技術などを考慮しながら、どの行動が海洋ごみを削減できるかを皆で考えました。最初は「ごみを減らすこと」に重点を置いていた子どもたちでしたが、便利さとのバランスを取る難しさに直面し、互いに意見を出し合いながら具体的な解決策を模索していきました。このような実践を通じて、楽しみながら課題解決の手法を学ぶ貴重な経験となりました。
水中ドローンで深海を探索
富山湾の深海を探求するため、水中ドローンの映像鑑賞も行われました。この映像には普段なかなか見ることのできない海底に沈むごみの様子や、シロエビが泳ぐ美しい姿が映し出され、多くのキッズたちが目を輝かせて見入っていました。また、水中ドローンには実際に触れる体験もあり、子どもたちは「どうやって操作するの?」などと質問し合い、場が一層盛り上がりました。
知識を深めるミュージアム見学
次に訪れた「ほたるいかミュージアム」では、ホタルイカの生態や富山湾の環境について学ぶ機会がありました。この見学を通じて、子どもたちは海の生き物と地域の資源に対する理解を深めました。映像を見たり、ドローンを操作したり、ミュージアムでの体験を通じて、富山湾の深海環境や最新の海洋技術への興味が一層高まりました。
深層水の不思議を体験
さらに、富山湾から水深333メートルの深層水をくみ上げる施設「アクアポケット」の見学も行いました。富山湾の深層水は、その透明度と栄養からさまざまな商品の原材料としても利用されていることを学びました。実際に深層水を試飲する体験もあり、キッズたちはその濃度に驚きの声を上げ、普段とは異なる味わいに興奮していました。
子どもたちの声
イベントを通じて参加した子どもたちからは、「駿河湾のキッズとともに考えながら学んで新たな発見があった」「前回の駿河湾での体験を生かし、富山湾の素晴らしさを発見できた」といった感想が寄せられました。このプロジェクトを通じて、子どもたちは環境問題への理解を深め、楽しみながら学ぶことができたようです。
未来を見据えた海洋教育
「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」は、次世代の海洋専門リーダーを育成するため、深海に関わるさまざまな分野のプロによる教育プログラムを提供しています。参加者は、自らの興味に基づいたテーマで研究を深め、成果を発表する機会も設けられています。この活動を通じて、未来の海を守るための知識と技術を兼ね備えた人材を育むことを目指しています。
富山湾の自然と文化が育む海洋教育は、今後も多くの子どもたちに豊かな学びを提供し続けることでしょう。