従業員の幸せをデータで可視化！トリドールHDの革新システム

従業員の幸せを可視化するための革新的システム

最近、トリドールHDとアルサーガパートナーズによって開発された「ハピネススコアインタビュー」が、従業員の幸福度を迅速に可視化する国内初のAI音声システムとして注目を集めています。このシステムは約3万人の丸亀製麺の従業員を対象に、心の幸福度をリアルタイムで測定することができる新たな試みです。本記事では、この革新的なシステムの詳細と、背景にある経営理念についてご紹介します。

背景と必要性

昨今の外食産業では、労働人口の減少が懸念されています。2030年には、さらに深刻な人手不足が予測され、従業員の定着率向上が企業にとって最大の課題となっています。このような状況を受けて、トリドールHDは「心的資本経営」という理念を採用しています。この理念では、従業員の「心の幸せ」とお客様の「心の感動」を互いに重要視し、2024年6月からその実現に向けて様々な施策を進めています。

コンセプトを基にした取り組みにより、昨年度のデータと比較して、従業員の離職率は約12.9％低下し、顧客からの好評も約24.5％増加するなど、ポジティブな結果が現れています。これにより、トリドールHDは「人の力」を最大限に引き出す必要性を感じながら、従業員の幸福度を測定する新たな手法を模索してきました。

ハピネススコアインタビューの特徴

「ハピネススコアインタビュー」は、親しみやすいキャラクターである丸亀うどーなつの「るんもっち」と最新の生成AI技術を融合した音声対話型インタビューシステムです。このシステムの特長は次の4つです。

1. 親しみやすいキャラクター: 軽やかな会話を実現するために、「るんもっち」を使用することで、従業員がリラックスして本音を話しやすくしています。わずか5分で完了するインタビューは、従業員にとって負担の少ないシステムです。

2. 生成AIによる解析: GPT-4レベルの生成AIを搭載しており、日本特有の曖昧な表現の中に潜む感情を正確に数値化することが可能です。主観に頼らず、客観的な行動データを基にデータを取得することで、信頼性の高い心理評価を実現しています。

3. 企業独自の評価基準: 安心感、つながり感、貢献実感、誇りなど、企業独自の価値観に基づいた評価を行うことで、多様な文化に根ざした分析が可能です。

4. 多言語対応: 日本語をはじめとする8か国語に対応しており、グローバルな従業員が活躍する現代において、国籍を問わず従業員の意見を把握することができます。

開発プロセスと成果

このシステムは、トリドールHDとの3回にわたるPoCを経て開発されてきました。600人以上の従業員からのフィードバックを受け、AIの精度向上や多言語対応などの最適化を図った結果、より正確な診断が可能となりました。

経営層のコメント

トリドールHDの南雲氏は、「従業員の幸福度を可視化することは、当社の理念にとって不可欠です。ハピネススコアインタビューを通じて、個々の心に寄り添った施策を実行でき、より一層の感動を生み出すことを目指します」と述べています。これに加え、アルサーガパートナーズの小俣氏も、テクノロジーが企業の課題を解決する可能性に言及し、この共同開発の意義を強調しました。

今後の展望

今後、トリドールHDは「ハピネススコア」を活用して、従業員一人ひとりの幸福度向上に注力し、さらに多くのブランドへの導入を進める予定です。この取り組みにより、食の感動体験を追求しながら、より良い職場環境を提供していく方針です。AI技術を駆使し、従業員が安心して働ける環境作りに貢献することを目指しています。

このように、トリドールHDとアルサーガパートナーズによる「ハピネススコアインタビュー」は、従業員の声を大切にし、幸福感を可視化する新しい取り組みです。これにより、企業の経営課題を解決し、さらなる成長を遂げることが期待されています。