概要
近年、子どもたちの体力の低下が問題視されており、特に2020年度のコロナ禍はこの傾向をさらに深刻にしました。この背景には、子どもたちが自らの体力を把握し活用する機会が不足しているという現実があります。この課題に対処するため、Pestalozzi Technology株式会社は早稲田大学と共同で、子ども向けの運動機能評価プログラム「Koji Awareness™(KA)」を実用化する研究を開始しました。
共同研究の目的
この共同研究の目的は、小学5・6年生を対象にKA測定の有用性を確かめ、改善運動が運動器に与える影響を評価することです。具体的には、対象者である65名の子どもたちがKAによるセルフチェックを行い、約2か月後に再測定を実施しました。
研究方法と結果
KAでは、道具を使わずに自己評価が行え、4つの測定項目に基づいて評価を行います。初回測定時の結果から、肩の可動性や下半身の筋力については多くの子どもたちが高得点を獲得しており、有意な差が見られませんでした。しかし、男子の肩甲骨の可動性については改善が認められ、統計的に有意な結果が得られたことは、自身の運動機能向上に向けた効果があることを示しています。
今後の展望
今回の研究では、運動が苦手な子どもを早期に発見し、個別のサポートを行う可能性が明らかになりました。しかし、運動が得意な子どもに対してもKAの適応方法を検証する必要があります。さらに、今後は難易度調整や新たな評価項目を追加し、より多角的な評価を行う方針です。
代表者の声
早稲田大学の金岡教授は、子どもたちのモーターコントロール機能の発達が健康な生活に直結することを強調しています。また、Pestalozziの井上社長は、KAを通じた運動習慣の定着が子どもたちの健やかな成長につながると語っています。
結論
Pestalozzi Technologyと早稲田大学の共同研究は、子どもたちの体力向上に寄与する新たな手段としての「Koji Awareness™」の広がりを目指しています。今後の取り組みに注目です。