中学受験と態度
2025-06-25 10:06:37

中学受験による子どもの態度変化に関する最新調査結果

中学受験による子どもの態度変化に関する調査



昨今、中学受験が子どもに与える影響についての関心は高まっています。「受験によって子どもが荒れる」という言説に対して、実際のデータに基づいた調査が実施されました。今回は、ひまわり教育研究センターが行った、首都圏に在住する小学4〜6年生の母親200人を対象とした調査結果をご紹介します。

調査の背景


「中学受験のストレスで、子どもが反抗的になった」と感じる保護者の声は少なくありません。学習負担や通塾の増加により、親子関係に影響を及ぼすのではないかと懸念されています。しかし、実際にどのような影響があるのか、データで確認する必要がありました。

この調査では、中学受験をする家庭100組としない家庭100組を比較し、両者の子どもの態度や学習環境、さらには保護者の心理状態について検讨しています。

調査の目的と内容


調査の主な目的は、受験家庭と非受験家庭における子どもの態度や学習環境の違いを明らかにすることです。具体的には、通塾状況、学習時間、反抗的な態度の内容と頻度、保護者のストレスレベル、家庭内コミュニケーションの頻度と内容など、多角的な視点から分析を行いました。

調査結果の概要


1. 生活環境の違い
受験家庭は93%が塾に通い、半数以上が週3回以上通っています。一方で、非受験家庭の約76%は塾に通っていません。また、受験家庭の46%は1日2時間以上学習していますが、非受験家庭では74%が1時間未満という結果が出ました。

2. 親のストレスと会話の量
受験家庭の47%がストレスレベル7以上と回答し、親子の会話の頻度(勉強以外)は受験家庭が61%に対し、非受験家庭が89%と、後者の方が多い傾向にあります。

3. 反抗的態度の違い
受験家庭で「特に反抗的な様子はない」と答えたのは19%、非受験家庭は32%でした。この差は13ポイントであり、生活負荷や心理的ストレスが必ずしも反抗的態度に直結しないことが示唆されています。

なぜ差が小さいのか?


1. 親の対応がカギ
子どもの反抗的態度は、単に中学受験が引き起こすものではなく、保護者の接し方や子どもの性格にも左右されます。

2. 家庭内の工夫
高い学習負荷を受け入れつつも、親子のコミュニケーションや信頼関係を大切にすることで、安定した状態を保っている家庭が多く見られました。

3. 主観的な評価
「反抗的」という評価は保護者のストレス状態に影響されることがあります。ストレスが少ない親は、子どもの行動を冷静に受け止めることが可能です。

最後に


今回の調査からは「中学受験=子どもが荒れる」という単純な図式が成り立たないことがわかります。環境や親の関わり方が、子どもの態度に大きく影響していることが示されました。特に、親のコミュニケーションを大事にし、成長過程における反抗的態度を柔軟に受け容れる姿勢が、家庭内の豊かな関係を築くことにつながります。ひまわり教育研究センター所長の上田尚子も、教育現場においてこの調査結果が多くの家庭に役立つことを願っています。

この調査結果を保護者としての意見形成に活かし、子どもたちが穏やかに成長できる環境づくりに貢献できると良いですね。


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