高校受験生の4割が塾を利用せず、自主学習の波が広がる現状

学びの選択肢が多様化する現代の高校受験事情

近年、高校受験に対するアプローチが大きく変化しつつあります。じゅけラボ予備校が行った最新の調査によると、2025年度の高校入試を控えた家庭で、約37.3%の受験生が塾や家庭教師を利用せずに受験に向かっていることが明らかになりました。この数字は、一般的に「高校受験＝塾通い」という常識を覆すものであり、多くの家庭が学習支援サービスを利用しないことには、深い背景があると考えられます。

調査の概要

この調査は、2025年度の高校入試を経験する子どもを持つ40代から50代の保護者850名を対象に、2025年7月から9月にかけて実施されました。その結果、高校受験生の中で塾や家庭教師に依存しない家庭が3人に1人以上という驚きの事実が浮き彫りになりました。

家計の影響と教育の多様化

この変化は、長期にわたる経済の不透明感や教育に対する価値観の変化が影響していると考えられます。特に、塾通いが必須でないという選択をする家庭が増えた背景には、家庭の経済状況も大きく関わっているでしょう。受験勉強において、アプリやオンライン学習の普及が新たな道を切り開いていることも忘れてはなりません。

子どもたちが自分のペースで学ぶことを重視することで、家庭学習や学校教育を重視する傾向が強まっているようです。他方で、塾利用者の中では対面指導の人気が依然として根強いことも調査から見て取れます。

対面指導の支持率は顕著

調査結果によると、塾や家庭教師を利用する家庭のうち、55.2%が「集団指導塾（対面）」または「個別指導塾（対面）」を選んでいます。これらの形式が人気の理由には、同じ目標を持った仲間とともに学ぶ喜びや、講師からの直接的なサポート、安心感などがあるのかもしれません。

オンライン学習の普及は限定的

最近注目されているオンライン学習ですが、調査結果では高等学校受験における利用率はわずか4.7%に過ぎません。子どもたちがオンラインで学ぶ際の課題としては、集中力の維持が難しい、質問がしづらい、そしてモチベーションが続かないといった点があり、直接的な指導が求められていることが明らかです。

教育の変革を迎えた日本

この調査結果を受けて、私たちの教育体系は転換期に入っていると言えそうです。「塾に通うのが当たり前」という考え方が徐々に薄れ、各家庭が自分たちの経済状況や子どもの特性に合った教育法を探るようになっています。このような変化に対して、教育サービス提供者はどのような対応をしていくのか、その責任が問われることになるでしょう。

まとめ

全体として、高校受験における塾や家庭教師の利用状況は、長期間続いた経済の不安定性や、教育の選択肢の多様化の影響を受けていることが分かります。また、塾や家庭教師を利用する家庭においては、対面指導の重要性が依然として高く評価されていることが示唆されました。日本の教育が新たな道を探し始めている今、私たちもこうした変化を受け入れ、自主学習の重要性を認識していく必要があります。