高知の未来を考えるための特別授業
2025年11月21日、香南市立夜須小学校で「ツーライスと高知の海を学ぼう!」が開催されました。このイベントは、一般社団法人海と日本プロジェクトin高知の一環として行われたもので、地域の海洋環境について小学生に学ぶ機会を提供することを目的としています。
地元の海の問題を知る
現代の高知の海は、海洋ごみの増加や生態系の変化といった深刻な問題に直面しています。ツーライスは、毎年10カ所以上の海岸で清掃活動を行ってきましたが、今回の授業では、この現状を子どもたちに伝えることが重視されました。お笑いコンビとしても知られるツーライスのメンバーは、ユーモアを交えながら環境問題について語り、子どもたちの関心を引きつけました。特に、高知の海に多く見られる「漁具」の問題についても触れ、生活と海のつながりを実感させる内容となっていました。
地球温暖化と海の関係を学ぶ
続いて、気象予報士の山岸拓氏が講義を行い、地球温暖化がどのように海に影響を与えているかを解説しました。温暖化の主な原因は化石燃料の燃焼によるもので、海水温の上昇は多くの生き物に影響を与えています。特に、カツオの減少やウミガメの性別に偏りが見られる問題について話し、二酸化炭素の溶け込みによる海洋酸性化が生態系に与える影響について重点的に説明しました。
授業の後半には、子どもたちが参加する「雲を作る実験」が行われ、科学的な視点からも海と気候について学ぶ良い機会となりました。
海生物と生態系の重要性を理解する
高知大学の伊谷行教授が続いて話し、地域特有の生物や生態系について詳しく解説しました。夜須の海は、60種類以上のサンゴが生息する希少な場所であり、しかしながら近年オニヒトデによる食害や気候変動による影響でサンゴの白化現象が進んでいることを伝えました。
授業の中で、教授は実際に川から採取してきたカニを用いて生物観察の時間も設け、絶滅の危機にある種も見せたことで、子どもたちは生態系の変化を具体的に理解することができました。また、河口の重要性についても語られ、淡水と海水が混ざり合うことで形成される「汽水」の環境の特殊性を体感しました。
子どもたちの感想と思い
授業の終わりには、講師からのメッセージとして「今日学んだことを周りにも広めてください」という言葉が。子どもたちからは、「川にも魚がいることを知った」「節電や節水を心がけたい」との感想もありました。
この特別授業を通じて、海を守る意識が芽生え、次世代に豊かな海を引き継ぐための第一歩となったことでしょう。高知の海に親しみを持ち、これからの環境問題について考えていくきっかけとなる素晴らしい機会でした。
団体概要
この授業は「海と日本プロジェクトin高知」によって企画され、未来の世代に「黒潮の海」を継承するため、子どもたちが地域の海を学ぶ取り組みの一環です。詳細は公式サイト(https://kochi.uminohi.jp/)をご覧ください。