漫画で認知症を知る!
安心して認知症を理解する方法、それは漫画の形で身近に触れることです。最近、特定非営利活動法人イシュープラスデザインから、漫画形式の『認知症世界の歩き方』が新たに4カ国語版として登場しました。これは、フランス語、英語、繁体字、簡体字の4つの言語で展開され、様々な文化圏で認知症についての正しい理解を促すことを目的としています。
このプロジェクトは、笹川日仏財団の助成を受け、「超高齢化社会と認知症の増加」という共通の課題に取り組むものです。漫画文化を活用することで、読者は楽しみながら認知症について学び、理解を深めることができます。
魅力的な素材とストーリー
この作品には、多彩なストーリーが収められています。タイトルの『ミステリーバス』をはじめ、認知症世界にやってきた旅人が経験する不思議な出会いや出来事は、読者の共感を呼ぶでしょう。無邪気な子供たちから、認知症にあまり触れたことのない若者、さらには高齢者に至るまで、誰でもこの旅行記を通じて知識を得られるのです。
ストーリーには、
- - 顔無し族の村
- - アルキタイヒルズ
- - 二次元銀座商店街
- - カクテルバーDANBO
- - エピローグ
など、多彩な場面が描かれています。特に旅人が直面する困難は、通常の生活の中でも遭遇しうる現実を反映しており、理解を深めるきっかけになります。
シンプルなアプローチ
多言語版は、デジタルコンテンツとして簡単に入手できます。PDF版の価格は、フランス語が5ユーロ、英語が5ドル、繁体字が170台湾ドル、簡体字が30人民元と、手頃な価格設定です。一方、日本語版は800円で販売されており、いずれも電子書籍として配信されています。購入はissue+designのオンラインストアから可能です。
教育と啓発の一環
さらに、このプロジェクトの重要な軸は、認知症に関する教育です。94名以上の認知症当事者へのインタビューを基に作られた内容は、認知症の理解を深め、人々の認知症観を変える一助となることを目指しています。ワークショップや講演、認知症サポーターの養成など、多岐にわたる活動を行っており、コミュニティの意識も高めています。
「604」というプロジェクト名も印象的で、地域や国を越えた共感を示す表れです。これからも、認知症についての理解をふかめるきっかけとして、多様な方向での活動が期待されます。
この機会に、是非『認知症世界の歩き方』を手に取り、新たな視点で認知症について考えてみてください。きっと新しい発見が待っています。