文教大学の卒業生が自らの手で卒業式を実現
2024年4月8日、文教大学越谷キャンパスにおいて、特別な自主卒業式が行われました。この式は、2010年度の卒業生たちによって企画されたもので、東日本大震災のために卒業式が開催できなかった卒業生が集まったものです。この日は約180名が会場に足を運び、14年越しの感謝と感動の瞬間を共有しました。
背景にある震災の影響
2011年3月11日、東日本大震災は日本全土に大きな爪痕を残しました。この影響により、文教大学は2011年に予定していた卒業式を中止せざるを得ず、卒業証書は郵送という形で届けられました。人々が苦しむ中、学生たちは静かに自らの門出を迎えることができないままでした。
自主卒業式の実現
今回の自主卒業式は、卒業生藤原良浩氏の発案によって実現しました。彼は、当時の卒業生が再度集う機会を設けるために、自主卒業式実行委員会を結成しました。1年間の準備を経て、ついにこの感動の時を迎えることができたのです。
式では、当時の大学長であった大橋ゆか子氏から、14年越しの卒業証書授与が行われ、多くの卒業生の涙を誘いました。達成感や感謝の念が一つの空間に広がり、心が温かくなる瞬間でした。
メッセージとこれからの希望
卒業証書授与の後には、越谷市長の福田晃氏、現在の大学長である中島滋氏(代読:石原俊一副学長)、そして元大学長の大橋氏から祝辞が贈られました。それぞれのメッセージには、これからの社会で活躍することを期待される卒業生への励ましが含まれており、会場はその言葉に耳を傾けました。
特に、卒業生代表を務めた教育学部の石田淳也氏(現:常葉大学助教)は、在学中の思い出や、14年間の経験を振り返りながら、今後の未来への希望を述べました。彼の言葉には、社会人としての成長や、新たな挑戦への意欲が表れており、卒業生たちにとっても勇気を与えるものでした。
文教大学の今とこれから
文教大学は、教育学部、人間科学部、文学部、情報学部、健康栄養学部、国際学部、経営学部という多彩な学部を持つ総合大学として、現在も多くの学生が学んでいます。在籍学生数は8,405名を超え、未来を担う人材を育成する役割を果たしています。
まとめ
文教大学の自主卒業式は、ただの儀式ではなく、卒業生たちの心に深く刻まれる特別な瞬間でした。彼らが自分たちの手で卒業式を行うことによって、一人ひとりが持つ思いを再確認し、さらに強い絆で結ばれることができたのです。これからも彼らの活躍に期待が高まります。