中学生が考える多様性と共生社会に向けた新たな授業の取り組み

2025年12月12日、川崎市内の中学校で「多様な性ってなんだろうー互いのちがいを受け止めあえる社会を目指してー」と題した特別授業が行われました。これは、ファミリーマート、コカ・コーラボトラーズジャパン、認定NPO法人ReBitの3団体が協力して実施したもので、中学2年生を対象としたLGBTQ理解促進のプログラムに盛り込まれたものです。

企業の協働に意義を感じて

本授業の実施には、2025年6月に展開された「We are “Rainbow”」キャンペーンで得た売上の一部を寄付し、教育支援に活用したことが大きな背景にあります。このキャンペーンは、性的マイノリティへの理解を深める活動として高く評価され、多くの賛同を得ました。

ReBitは、長年のLGBTQ教育の経験を活かし、生徒一人ひとりが性の多様性を正しく理解し、互いの違いを尊重し合う社会の実現を目指しています。

多様性への理解を深める授業内容

授業は、多様性尊重の重要性を学ぶことを目的としており、基本的な知識の理解から、参加型のワークショップ、実際のDE&I（ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン）の事例まで盛り込まれました。最初に、性に関する基礎知識を解説することで、生徒たちは異なる個性を理解し、その違いを大切にする視点を身につけました。

ワークショップでは「自分にとっての“ふつう”が、他の誰かにとっての“ふつう”ではない」ということを通じて、多様性の本質を掘り下げました。生徒たちは、表面上は見えない違いを意識し、尊重することがどれほど重要かを学びました。

DE&I実践の具体例と生徒の反応

授業内では、企業担当者が自社でのDE&Iの取り組みを紹介し、生徒たちが得た知識をどのように日常生活に活かすことができるかを考える時間も設けられました。さらに、両社のALLY社員がデザインしたステッカーが配布され、日々の行動への意識付けを促しました。

授業を受けた生徒からは、「大きな企業が協力して性の多様性に取り組んでいるのは、非常に重要なことだと思った」といった感想が寄せられました。また、LGBTQへの意識が変わったという声もあり、実際に「お互いを尊重することが重要だと改めて気付いた」との感想も見受けられました。

未来への期待と今後の取り組み

教育に携わる担当者たちは、この取り組みの価値を強調し、子どもたちにリアルな経験を提供できたことを喜びました。「子どもたちが未来に向けて自分らしく生きるための手助けができた」と話しており、今後も多様性を尊重する社会の実現に向けた活動を続けていく意向を示しています。

中学生たちがどのように多様性を捉え、社会に貢献していくのか、今後の成長に目が離せません。私たち大人も、彼らの姿を見守り、支援していくことが求められるでしょう。