120周年を迎えた麴町学園が描く未来志向の教育改革
麴町学園は2025年に創立120周年を迎え、その歴史の中で多くの教育的挑戦を続けてきました。この節目の年にあたる2025年度には、多くの周年行事が企画されています。このような伝統の中で、学園は未来に向けた「豊かな人生を自らデザインできる自立した女性の育成」という教育ビジョンを掲げています。
歴史と理念
麴町学園は、1905年に創立者の大築佛郎によって設立されました。彼は「科学の目を開くことをはじめ、広い知識や教養を身につける新時代の良妻賢母を育成する」という理念をもとに女子教育を進めました。当時は裁縫教育が主流であった中で、科学という新しい視点からの教育を提供することを目指しました。
現在では、「新時代の良妻賢母」という言葉は古くなり、今の女性には多様な選択肢があることを理解しています。このように現代に合った教育を進める中で、麴町学園は生徒たちが時代の変化に柔軟に対応できるよう、リーダーシップやフォロワーシップを研修することを重視しています。
「みらい科」の教育
麴町学園では「みらい科」と名付けられた独自の探究教育を実施しています。これは2000年に始まり、昨年よりさらにアップデートされました。生徒たちは自身の夢や目標を見つけ、それを進路選択に活かす方法を学びます。特に、2016年から加わった非認知スキルの育成が特長であり、セレンディピティ(予想外の事態に対処できる準備)を強化します。全ての教育活動がこの「みらい科」によって活性化されています。
英語と理科教育
また、英語教育も重視しています。「Active English」の授業では、生徒自身が意見を交わす場面が多く設けられています。英語環境を利用し、自然とコミュニケーション能力を高める狙いがあります。
科学教育においては「Active Science」を実践し、実験を通じて理科への興味を育てます。中学2年生と3年生には、特に理科を好む生徒を対象にサイエンス探究クラスも設置し、将来的に理系の大学を目指せる基盤を築きます。
卒業生の活躍
麴町学園の卒業生は約2万7000名にのぼります。彼女たちは様々な分野で活躍し、社会に貢献しています。学園は、彼女たちが自立した女性として成長することをサポートするために、教育プログラムを常にアップデートし続けています。
社会貢献と未来へ向けて
さらに、120周年を記念して学校は地域貢献にも力を注いでいます。2024年度には「地方創生★アイデアコンテスト」に参加し、沖縄県総合事務局長賞を受賞するなど、社会に対する責任も広げています。
理事長の坂本久美子は、「挑戦を続け、新たな未来を切り開くための力を生徒に与えることが我々の使命である」と語っています。これらの取り組みを通じて、麴町学園は今後も社会に必要とされる教育機関として進化し続けていくでしょう。