ウポポイに大型遊具広場「トㇺトㇺ」誕生
北海道白老町に位置するウポポイ(民族共生象徴空間)が、2026年春に新たな遊具広場「トㇺトㇺ」を開設することが発表されました。この広場は、子どもたちに楽しくアイヌ文化を与え、遊びながら学ぶ機会を提供することを目指しています。
新しい遊びの空間
「トㇺトㇺ」という名は、アイヌ語で「ぴかぴか光る」という意味です。この広場は、伝統的なアイヌの生活空間をモチーフにしたデザインが特徴です。具体的には、アイヌ文化を体現したオリジナルの大型複合遊具「ふねのあそびば」や「さけのあそびば」が設置され、広場全体がアイヌの伝統文様で囲まれています。これは、子どもたちが遊ぶ中で互いに理解し合い、共生することを促進するためです。
遊具のデザインと機能
「ふねのあそびば」
「ふねのあそびば」は、児童向けの大きな遊具で、アイヌの漁撈技術を再現した丸木舟のイメージを基にしています。舟が波を乗り越える様子を具現化したこの遊具は、子どもたちに冒険心を与えます。
「さけのあそびば」
一方、「さけのあそびば」は幼児向けの遊具で、アイヌ文化におけるサケの重要性を表現しています。サケはアイヌにとって神聖な魚であり、皮も身も大切にされてきました。この遊具で、子どもたちはサケが川を遡上する姿を楽しむことができます。
安全性とインクルーシブデザイン
この遊具広場は、あらゆる子どもたちが遊べるよう設計されています。障がいの有無に関わらず、すべての子どもが一緒に遊ぶことができるインクルーシブな空間を目指しています。特に、車いす利用者も楽しめるような工夫がされています。道幅や勾配、遊具の素材に配慮し、遊びの仕掛けを随所に盛り込んでいます。
利用者の声を反映した設計
ウポポイへの来場者から、「子どもが遊べる場所が少ない」との意見が寄せられていたことを受けて、遊具の設置が決定しました。ウポポイ組織内のキッズプログラム担当者や子育て世代の職員で構成される「ウポポイ遊具設置検討チーム」がテーマやモチーフの考案に関わり、アイヌ文化を体験しながら遊べる設計が実現しました。
コンセプトと意義
ウポポイは、ただの遊び場ではなく、親子でアイヌ文化を学ぶ季節ごとのイベントや体験学習も行う場です。リーダーである野本正博さん(国立アイヌ民族博物館長)は、「子どもの成長を感じられる遊び場で、大人も一緒に楽しめる空間を創出することが重要」と語ります。
県内の多くの家族が待ち望んでいるこの遊具広場が、2026年4月にオープン予定です。子どもたちにとって思い出深い場所となり、アイヌ文化を未来に繋げる役割を果たすでしょう。ウポポイの広場が、楽しい遊びを通じて文化に触れる新しい場所となることを期待しています。また、工事に伴い当面の間は立ち入り禁止となるため、完成を楽しみにしていてください。