資生堂子ども財団が発行した第50回児童福祉研修報告書
公益財団法人資生堂子ども財団は、2025年に行われた「第50回資生堂児童福祉海外研修」の報告書を発行し、公式ウェブサイトで公開しました。これは、日本の児童福祉施設で働く実務者を対象に、世界の進んだ児童福祉の制度や実践について学ぶ貴重な機会です。これまでに研修に参加した人数は750名を超え、日本の児童福祉分野を牽引する多くのリーダーが育っています。
50回目となる研修の概要
研修地と参加者
今回の研修は20年ぶりにカナダ・ケベック州で開催されました。参加者は、研修団長1名(大学病院医師)と特別講師1名(弁護士)、そして児童福祉に携わる実務者8名で構成されています。具体的には、児童養護施設職員3名、児童自立支援施設2名、児童心理治療施設1名、児童家庭支援センター2名です。ガイドのもとで、様々な実践的な支援について学びました。
研修期間
研修は、
1. 渡航研修:2025年11月1日(土)~9日(日)
2. リモート研修:2025年11月17日(月)
の2つの段階で行われています。
研修テーマ
研修では、以下の3つをテーマに深く学びました。
1. 子どもの権利擁護の実践と課題
2. 多分野連携による予防的支援の実際
3. 社会的養護の制度と実践
ケベック州に学ぶ「子どもの最善の利益」
今回の研修では、子どもの権利と安定性を中心に、ケベック州が構築している包括的な支援体制について分析しました。具体的には、以下のポイントに焦点を当てました。
1. 若者の自立と社会参加のサポート
訪問した支援拠点では、若者が予約不要で無料で利用できるサービスが提供されています。また、若者自身が運営に関与する「若者委員会」の仕組みがあり、当事者の主体性を重視した支援が行われています。これは、今後の日本の支援システムにとって重要なヒントです。
2.性的虐待被害児へのワンストップ型支援
同一施設内で警察、医療、福祉のサービスが提供されるワンストップ支援の現場を視察しました。支援者の二次被害を防ぎ、子どもたちが回復できるような科学的根拠に基づいたプログラムが展開されています。
3. 共同親権制度の運用
ケベック州では、1977年から共同親権制度が法制化されており、子どもの意思を如何にして裁判や援助方針に反映させているかが議論されました。日本でも2026年に導入予定のこの制度ですが、ケベック州の取り組みから多くを学ぶことができました。
4. ケア・ニーズに応じた社会的養護
多様な社会的養護のあり方を実践報告を通じて学びました。グループホームから高度な治療ユニットまで、多職種チームによる一貫した支援がいかに重要であるかを理解しました。
参加者からのメッセージ
研修参加者からは次のような感想が寄せられています。
- - 「現地で専門家と対話できたことは非常に貴重で、子どもや家族への目線を見つめ直す機会になった。」
- - 「地域の支え合う仕組みの重要性を再認識できた。」
報告書の構成と閲覧方法
この報告書は3つの章に分かれています。
1. 団長・特別講師の研修報告
2. ケベック州視察報告
3. 研修団員の学び
報告書は資生堂子ども財団の公式ウェブサイトでPDF形式で公開されていますので、ぜひご覧ください。公式ウェブサイト:
資生堂子ども財団
資生堂子ども財団について
資生堂子ども財団は、1972年に設立され、株式会社資生堂の創業100周年を記念する事業として社会貢献を目的としています。「すべての子どもが笑顔にあふれ、自分らしく輝く社会」をビジョンに掲げ、3本の柱を基にした活動が展開されています。その柱とは、子どもへの支援、児童福祉職員への支援、一般向け情報発信です。これにより、すべての子どもの健やかな成長を支援しています。