新たな放課後の時間の使い方
令和6年度の学校基本調査によれば、小学1年生の多くが学童保育を利用しています。実際、登録している人数は約45万人に達し、学校に通う子どもたちの半数がこの重要な放課後の時間を持っていることがわかります。しかし、この放課後の時間がどのように利用されているかというと、ほとんどが塾や習い事、遊びに埋め尽くされがちです。
そこで、著者の島根太郎が提唱するのが、『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』という新刊です。本書では放課後をただの「消費」ではなく、「投資」として捉え、子どもたちの未来を形作る有意義な時間に変えるための方法が示されています。
非認知能力と「余白」の重要性
島根氏は、子どもたちの「社会につながる人間力」、つまり非認知能力の育成に欠かせないものは「余白」時間だと強調しています。この余白の時間とは、何もせずに自由に考えたり遊んだりすることで、自己肯定感や主体性、想像力、集中力を育む貴重な瞬間を指します。
数値で測れないこの非認知能力は、子どもたちの未来に多大な影響を及ぼします。自己肯定感はリーダーシップにも関わり、やり抜く力(GRIT)は人生の様々な挑戦に立ち向かう強さを与えます。島根氏は、自身の経験を基に「12の知恵」としてこれらの要素を整理し、具体的な育み方を解説しています。
家庭でできるコーチング
さらに、家庭でできる「コーチング」の実践方法についても詳しく触れています。KBC(東急キッズベースキャンプ)では、保護者との信頼関係を築く方法や、子どもたちのやる気を引き出す声のかけ方など、実践的なアドバイスが満載です。島根氏は「ティーチング」から「コーチング」へのシフトについても説明しており、一方的に教えるのではなく、子どもたち一人ひとりの特性に応じたアプローチを大切にするべきとしています。
結論
本書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』は、忙しい毎日を送る保護者にとって、教育に関する新たな視点を提供する一冊です。放課後の時間をどう有効に使うか、さまざまなエピソードと共に学ぶことができるでしょう。島根太郎氏の言葉を通じて、子どもたちの未来をより豊かにする方法を見つけ出してみてはいかがでしょうか。