子どもたちの憧れ職業、2024年の傾向と変化を探る
2024年に実施された「子どもの生活と学びに関する親子調査」から、子どもたちが憧れる職業のトレンドが浮かび上がりました。この調査は、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で実施しており、過去10年にわたるデータを元に分析されています。全体的な傾向を見ながら、子どもたちがどのような職業に魅力や夢を抱いているのか、その背景に迫ります。
子どもたちのなりたい職業ランキング
調査結果によると、小学4~6年生にとっての憧れの職業No.1は「プロスポーツ選手」です。また、中学生では「プロスポーツ選手」と「教員」が同率で1位となり、高校生では「教員」が堂々のトップに立ちました。この傾向から、教育現場に身近な教員が、特に中高生に人気を集めていることが明らかになっています。
性別による職業の違い
職業の選択には男女差も見られ、小学4~6年生では、男子の約25%が「プロスポーツ選手」を選び、女子は「店員(花屋・パン屋など)」が最も人気です。中学生になると男子では「教員」や「ゲームクリエイター」が人気を集める一方、女子は「看護師」や「薬剤師」など要資格の職業が上位にランクインしました。高校生に進むと男女共に「教員」が人気となりますが、男子は「SE・プログラマー」や「医師」、女子は「看護師」や「保育士」などが続きます。
10年の変化にみる新しい傾向
過去10年間で職業に対する子どもたちの考え方にも変化が見られます。例えば、「YouTuber・VTuber」は小学生でランク外から4位に浮上し、高校生では「SE・プログラマー」が6位に上昇しました。このように、デジタル時代の影響を受け、IT関連職が目立つ存在となっています。一方で、教育者としてのキャリアには変わらず支持があり、「教員」という職業は中高生の間で10年間にわたり1位を守っています。
教員の人気の理由
なぜ教員という職業がここまで人気があるのでしょうか。それは、子どもたちにとって最も身近な職業であるためです。また、共に教員を目指す傾向から男女による偏りが少ないことも、教員人気の要因と考えられます。しかし、実際の現場では、採用倍率が低下しなり手不足が課題となる中、教育現場の労働環境や報酬の改善が求められています。
今後の進路選択について
「なりたい職業」を早期に決めることが重要ではなく、むしろ多様な可能性を考慮し、選択肢を広げることが大切であるとアドバイスされています。この経験が子どもたちの学びや行動にプラスの影響を与えるという研究結果もあります。大人たちは、彼らに考える機会を与え、多様な選択肢を理解させる役割が求められます。
まとめ
今回の調査結果は、子どもたちにとってどの職業が魅力的であり、将来のキャリア形成に影響を与えるかを示唆しています。特に「教員」という職業の安定性と信頼性が子どもたちに支持され続けている要因なのかもしれません。また、社会の変化に応じて職業の価値が変わっていく中で、教育者の役割も進化していく必要があります。子どもたちが自らの未来を見守り、選択していけるように、周りの大人たちがしっかりとサポートしていくことが重要です。
調査レポートの詳細は、
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