高知の笑いで学ぶ海の未来!ツーライスの取り組み
10月17日、南国高知の土佐市立宇佐小学校にて、コメディーコンビ「ツーライス」が開催する海洋に関する出前授業が行われました。このイベントは、未来の子どもたちに高知の美しい海を守る意識を植え付けるために、一般社団法人海と日本プロジェクト in 高知が主催したものです。目的は、豊かな海を次世代へと受け継ぐこと。
イベントの趣旨とは?
高知の海は現在、増加するごみや生態系の変化といった様々な問題に直面しています。この現状を認識してもらい、子どもたちに海と自分たちの生活との関連性を感じてもらうために、ツーライスが小学校に足を運びました。今回は、特に小学5年生11人が参加し、笑いを交えながら深刻な環境問題について学びました。
ツーライスのヤスさんと大ちゃんは、海洋ごみ問題を説明する中で、プラスチックが主な原因であることを指摘しました。実際、「高知の海に多いごみランキング」を作成し、1位は漁具、2位がペットボトル、3位は缶といった結果が示されました。毎年800万トンのごみが海に流れ込み、このままでは2050年には海の魚の量よりもプラスチックのごみが多くなると予測されています。この現状を知った子どもたちは、身近な問題としてごみ処理の重要性に気付きました。
山岸気象予報士による講義
続いて参加したのが、気象予報士の山岸拓さん。彼からは地球温暖化の原因とその海への影響についての解説がありました。化石燃料の燃焼や森林破壊が引き起こす二酸化炭素の増加は、海水温度の上昇や酸性化など様々な問題を引き起こします。これによって魚の生息地が変わり、漁獲量も減少する懸念が生まれます。実際、海の健康状態が悪化すれば、私たちの食卓にも影響が出るのです。子どもたちは、この話をもとに温暖化対策について真剣に考える機会を得ました。
伊谷行教授の授業
さらに、高知大学の伊谷行教授が登場し、海と山、川の生態系のつながりについて講義を行いました。子どもたちは実際に、河口の塩分を比較したり、干潟の生き物について学んだりしました。伊谷教授は干潟の重要性を強調し、その減少が生態系に与える影響について話しました。川や海の健全性が生物の生息環境に不可欠であることを、子どもたちは理解しました。
実践の時間:ごみ拾い
座学の後、子どもたちはツーライスや山岸さん、伊谷教授とともに校舎周辺のごみ拾いを行いました。ごみの中にはお菓子の袋やペットボトル、たばこの吸い殻などが多く見つかり、ポイ捨ての現実を目の当たりにしました。子どもたちは、環境を守るためにはごみを捨てない意識や、周囲の人にその重要性を伝えることが大切だと感じました。
参加した子どもたちの感想
イベントの締めくくりには、参加した子どもたちそれぞれが、学んだことを周囲に伝えていく意義を感じている様子が見られました。節電や節水といった行動を実践し、さらには「ごみをポイ捨てしない」ようにという強い意志を持って帰るようです。
まとめ
このように、「ツーライスと海を学ぼう!」はただの授業ではなく、子どもたちに未来のために海を守る意識を植え付ける貴重な機会となりました。地元の海の現状を知り、それを自分たちの問題として捉えることで、小さなアクションから社会が変わることを願いたいものです。高知の海を未来につなげるために、私たち大人も積極的に行動していかなければなりません。今後、このような活動が一層広がっていくことを期待しています。