話題の児童小説『ぼくの色、見つけた!』が8万部突破
この夏、小学生高学年に特に人気を集めた児童小説『ぼくの色、見つけた!』が、なんと累計発行部数8万部を超えるという快挙を達成しました。著者の志津栄子さんが手がけたこの作品は、ただの物語ではなく、色覚障がいをテーマにした意義深い作品です。
出版元である講談社は、様々な世代に向けた読み物を提供しており、特に教育的な要素をもちつつ楽しめる内容を目指しています。本作品もその一環として、第71回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれるなど、多くの支持を集めてきました。また、2024年度の中学受験では複数の名門校で出題されたということで、教育界でも注目されています。
いかにして共感を得たか
『ぼくの色、見つけた!』では、色覚障がいを抱える主人公・信太朗の物語を通じて、彼が直面する困難と自己理解を深めていく過程が描かれています。信太朗は、厳しい現実に苦しむ中、彼の視点を理解しようとする担任の教師との出会いをきっかけに、自分独自の「色」を見つける旅に出ます。この設定は、多くの児童に「自分も何か特別な存在だ」というメッセージを持つことを伝えています。
また、著者は元教員という経歴を活かし、作品のリアリティを追求しています。取材を重ね、当事者や医師、親、識者の声を聞くことで、より深い理解を持った物語を構築したのです。
ユニークな視点
本作の特徴的な点は、色覚障がいというテーマに多くの人が触れる機会が圧倒的に少ないことから、深いやり取りを展開できることです。この点において、『ぼくの色、見つけた!』は多くの心の声を物語に組み込むことに成功しています。本書を読むことで、色覚障がいへの理解がより深まることを期待しています。
著者の志津栄子さんも、自己免疫疾患を抱えながら執筆を続け、作中での信太朗の苦しみはどこか自身の経験とも重なる部分があるかもしれません。このような個人的かつ普遍的な要素が、作品に厚みを与えています。
推薦の声
さらには、色覚異常の研究第一人者である市川一夫医師や、人気サッカー漫画『ブルーロック』の作者である金城宗幸先生からも推薦を受けています。市川医師は「困難を抱えた子どもたちが前向きに考えられるようになる良い本」と称賛しており、多様な視点からの評価が本作の信頼性をさらに高めています。
作品について
出版価格は1650円(税込)で、幅広い世代が手に取りやすい設定です。
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本書は、子どもたちとその保護者にとって、家族で語り合う重要なきっかけとなることでしょう。色覚障がいの理解を深め、共感や絆を育むために、ぜひこの夏の読書リストに加えてみてはいかがでしょうか。