はじめに
最近の猛暑は、子どもたちの生活環境に少なからず影響を与えています。特に、保育施設では、熱中症対策が必須の課題として浮き彫りになっています。千株式会社が実施した調査によると、保育現場では約90%が暑さによる戸外活動の制限に頭を悩ませており、保護者の多くが子どもの体調変化についての不安を抱えています。今回は、その詳細を見ていきましょう。
調査の背景
近年、記録的な暑さが続いており、今後もさらなる高温が予測されています。2025年には、厚生労働省による熱中症対策の強化が求められ、保育施設においてもその影響を強く受けることになります。こうした背景のもと、「はいチーズ!」は全国の保育施設と保護者を対象に、熱中症対策に関する意識調査を行いました。
調査のポイント
調査から得られた重要な結果をいくつかご紹介します。
保育施設の対応状況
調査の結果、保育施設の約9割が「熱中症警戒アラートに基づく活動変更」に悩む中、「こまめな水分補給」や「エアコン利用」など基礎的な対策は徹底されています。特に、99.4%が水分補給を実施し、97.7%がエアコンや扇風機などの空調を活用しています。さらに、約半数の施設では「熱中症に対するマニュアル作成」や「医療機関との連携」も行っており、準備態勢が整っていることがわかります。
保護者からは67.9%がこれらの対策について安心感を抱いているとの回答もあり、施設側の努力が一定の評価を受けていることもうかがえます。ただし、昨年は戸外活動の制限により多くの施設が苦労しており、子どもたちの健全な発達のための重要な活動が制限されるというジレンマが現場にあることも確認できました。
保護者の心配
次に、保護者に聞いたところ、約71.3%が「子どもが体調の変化を伝えられないこと」に強い不安を感じていると回答しました。この懸念は、子ども自身が不調を感じた際に適切に表現できないリスクを示しています。
また、昨年の夏、子どもが熱中症を発症した経験があるとの回答は全体の6.1%であり、特に屋外で遊んでいる際に発症したケースが多かったことが明らかになりました。保護者は、屋外活動や水遊び、さらには寝ている際にも熱中症のリスクがあることを意識しているのが特徴でした。
対策の実施状況
家庭での対策についても注目すべき結果が出ています。96.4%の保護者が「こまめな水分補給」を実践している一方、「バランスの取れた食事」や「十分な睡眠」に対しては半数を下回る結果となり、実施状況に差が見られました。特に、食事に関しては約3割の保護者しか意識していないため、日常的な体調管理には改善の余地があると言えます。
まとめ
このように、保育施設と家庭における熱中症対策は進歩していますが、多くの課題も浮き彫りになっています。保護者の不安を軽減し、子どもたちの健やかな成長を支えるためには、今後も工夫を凝らしつつ情報提供を強化していくことが重要です。気候変動による温暖化の進展に対し、保育現場全体が連携し、子遣いや保護者の声をしっかりと受け止めることが求められています。これからも、安全と安心の両立を目指して、さらなる対策が期待されます。