自分のルーツを知る旅
2025-06-20 10:35:20

不登校生徒が創る、自分のルーツを知る修学旅行の成功ストーリー

不登校生徒たちの想いが形になった修学旅行



2025年の6月、東京都江東区にあるオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」は、北海道で特別な修学旅行を実施しました。約80名の生徒と保護者が参加し、白老町と札幌市を巡るこの旅行は、彼ら自身が提案した「自分のルーツを知りたい」というテーマに沿った内容となっていました。生徒たちの多様なバックグラウンドを尊重しながら、何よりも「学び」を大切にしたプログラムが展開されました。

メタバース上でのプレゼンテーション



旅行の行き先は、生徒たちがオンラインで行ったプレゼンテーションを基に投票によって決定されました。「私のおじいちゃんはアイヌです」と語った生徒の発言が共感を呼び、北海道への旅行が選ばれました。このようなアプローチは、彼らに自分自身の意見を掲げる素晴らしい機会を与え、責任感や自己肯定感を育むきっかけとなりました。

アイヌ文化とのふれあい



旅行の中日で訪れた国立アイヌ民族博物館「ウポポイ」では、ガイドによる歴史的な解説のもと、展示や伝統工芸、さらにはアイヌ料理と音楽など多岐にわたる体験をもたらしました。生徒たちは「アイヌ語の響きが心地よかった」や「調べたことが実際に体験できた」といった感想を述べ、日本の多様な文化への理解を深める機会となりました。

自主研修を通じた自己発見



また、各班に分かれて行った自主研修では、白老町や札幌市の歴史や文化を自ら学ぶプロセスが行われました。生徒たちは自分で計画を立て、移動や取材を通じて多様なテーマに挑みました。これにより、彼らは「自ら学びを作る力」を身につけ、仲間との協働の大切さを感じることができたのです。

全国や海外の仲間との交流



この修学旅行には、全国各地からの参加者に加え、なんとベトナムからの生徒も参加。普段はZoom越しにしか会うことができない仲間同士がリアルで交流を深め、共に笑い、語り合う姿は、心温まるものでした。こうした体験は、身体的な距離を越えて生徒たちが育む深いつながりを生むきっかけとなりました。

学年・参加スタイルの自由



特筆すべきは、この修学旅行が学年や参加スタイルを問わず開かれていた点です。小学生から高校生まで様々な年齢の子どもたちが参加し、一人での参加も保護者同行も可能でした。保護者は「信頼できる大人」として子どもたちを見守り、安心感をもたらしました。また、「初めての飛行機」や「初めての宿泊」といった新たな挑戦を経て、子どもたちは仲間とともに成長する姿を見せてくれました。

出発前の準備



出発前には「アイヌWEEK」と題した授業が行われ、アイヌ文化に触れる活動を通じて事前学習が実施されました。この講座を通じて生徒たちは、旅に対する“問い”や興味を高めることができ、現地での学びをより意味のあるものとしました。

参加者の感言



参加者の一人、Ryuseiさんは「一人の時間も好きだけど、勇気を出して参加してよかった」と振り返りました。その言葉には、旅行でのたくさんの経験が彼を成長させたことが表れています。保護者たちからも、息子の目がキラキラしている様子が伝わってきたという声が寄せられ、3日間の充実した体験がしっかりと彼らの日々に影響を与えたことが伺えます。

旅の後の学びを大切に



修学旅行を「一度きりの体験」とせず、「感じたことを言葉にして次へつなぐ」という観点から、NIJINアカデミーでは弟と活動を続けていく予定です。スライドや動画など、自分の得意な方法で発信を行うことで、今後も生徒たちの興味や想いに基づく学びを深めていきます。

NIJINアカデミーの背景



2023年9月に開校した「NIJINアカデミー」は、不登校の子どもたちが主体的に学べる環境を整え、全国から490名以上の生徒が集っています。このアカデミーは、「多層的な心理的安全性」や「一流の教師による対話的な授業」をカリキュラムの根幹に据えています。もはや、学校に行けないことが劣等感や罪悪感を生むことがないよう、希望を持てる未来を形成することをミッションに掲げています。

この修学旅行は、単なる行事の一環ではなく、未来に向けた大切な学びの場として位置づけられています。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

関連リンク

サードペディア百科事典: NIJINアカデミー 修学旅行 ルーツ探求

トピックス(子育て/育児)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。