土屋鞄のランドセル職人が次世代女性リーダーに選出
創業60周年を迎えるランドセルメーカーの株式会社土屋鞄製造所から、ランドセル職人の下田歩さんが次世代の女性リーダーとして「WE CHANGE AWARDS 2025」に選ばれました。この賞は、今後の社会で注目される女性リーダーを表彰することを目的としたもので、今回が初めての開催となります。
下田歩さんの経歴と受賞の背景
下田さんは2019年に土屋鞄に入社し、現在はランドセル製造の組立リーダーとして担当しています。彼女は若干の年齢で班長職に就き、続いてランドセル全体の組立リーダーに選ばれました。下田さんは、製造業界における女性リーダーの新たなロールモデルとして、審査員たちからも高い評価を受けました。特に「さまざまな年齢・性別の職人と対話し、チームをまとめ生産効率を向上させた」とそのリーダーシップが注目されています。
下田さんの受賞コメント
中でも印象的だったのは、彼女が受賞について語った言葉です。「リーダーを担ったこの1年は、何度も自分に問いかけました『なぜ私がリーダーなのか』と。私は等身大であることが重要だと思っています。製造業は変化が求められる時期です。職人として進化し続けなければなりません。」と彼女は語ります。彼女の言葉は、製造現場における女性の役割の重要性を改めて考えさせます。
WE CHANGE AWARDS 2025の意義
この「WE CHANGE AWARDS」は、社会に変化をもたらす人物や企業を表彰するものであり、特に女性のリーダーシップの重要性を強調しています。製造現場では女性が多く活躍しているものの、管理職には女性が少ないという課題があります。下田さんの受賞を機に、多くの女性職人たちがエンパワーメントされ、リーダーとしての道を歩むことが期待されています。
土屋鞄のランドセル:伝統と革新
土屋鞄は、創業以来約100万本以上のランドセルを製造してきました。シンプルなデザインと高い品質が特徴であり、特に「菊寄せ」という技法で耐久性を高めています。また、最近ではICT化の進展に伴い、ランドセルの機能性も進化しています。A4フラットファイル対応のデザインや、体への負担を軽減するための工夫が施されています。
未来に向けた取り組み
土屋鞄では、お客様へ最高の製品を届けるため、常に製造フローの革新が求められています。下田さんが提唱する「対話力で導く製造リーダー」としての姿勢は、チームの結束を強め、より高品質な製品を生み出す基盤を築いています。彼女のリーダーシップを通して、多くの女性職人たちが勇気を持って次世代のリーダーへと成長できることを期待しています。
会社のビジョンと道筋
土屋鞄は、子どもたちの人生の重要な一歩を支えるために「本当にいいもの」を届けることにこだわっています。約200人以上の職人たちがその思いを受け継ぎ、毎日丁寧にランドセルを仕立てています。そして、利用者のニーズに応じた柔軟で革新的な製品開発を続けています。これからも土屋鞄は、質の高いランドセルを提供し続けるとともに、これまでの経験を通して次世代のリーダーを育て、さらなるダイバーシティ推進に尽力していきます。