不登校の子どもたちと企業が手を組む新たな学び
不登校の子どもたちが社会を学ぶ新しい形が、浜松市でスタートします。2025年11月10日に開催されるこの取り組みは、株式会社NIJINが運営する不登校向けオルタナティブスクール『NIJINアカデミー』と浜松のスタートアップ企業、株式会社Magic Shieldsが共同で進めるものです。このイベントでは、子どもたちが実際の企業の現場を訪れ、社会との接点を作る大切な体験を得ることが目的です。
意義深い社会科見学
今回の社会科見学では、Magic Shieldsの工場を訪れます。同社は、転倒骨折を防ぐ床材「ころやわ®︎」を開発・提供する企業で、見学を通じてその技術の背景や社会的な使命について学びます。さらに、子どもたちは「この技術を床以外でどのように活用できるか」といったテーマで、グループワークショップにも挑む予定です。このプロセスを通じて、子どもたちに新たな視点を提供し、社会課題の解決策を創出する力を育みます。
新しい学びの形
現在、日本では約35万人の小中学生が不登校を経験しています。NIJINアカデミーは、「学校では輝けなかった個性が、社会で輝く場所を作る」という理念のもと、リアルとメタバースを融合させたハイブリッド型の学びを展開しています。子どもたちが安心して自分のペースで学び、社会と関わる機会を持つことができるこのプログラムは、今後の教育の在り方を示す重要な試みです。
イベントの詳細
この社会科見学は「不登校の子どもたちと考える社会科見学― 転倒防止技術から“社会を変える”アイデアを ―」というテーマで行われます。参加はNIJINアカデミーに在籍する小学・中学生が対象で、具体的なプログラム内容は以下の通りです。
- - 会社紹介・代表挨拶
- - 工場見学(「ころやわ®︎」の製造工程や研究紹介)
- - ワークショップ:「床以外の活用アイデア」をグループで発想
- - 発表・交流セッション
このイベントの主催は株式会社NIJIN(NIJINアカデミー)で、協力企業としてMagic Shieldsが関与します。
期待される影響
Magic Shieldsの最高技術責任者である宮島勇也氏は、「私たちが重要視しているのは、誰かを守る技術を社会に広げることです。子どもたちの率直な視点は、従来の枠に捉われない新しい発想を促します。今回の学びが未来を創る一歩であることを期待しています」とコメントしています。
社会の中の子どもたち
11月は「世界子どもの日」があり、全国で子供の権利や多様な学びについて考察する活動が行われます。このような背景からも、「教育×企業×社会」が協力して進めるこの試みは、希望に変わる不登校に対する新しいモデルとして注目されています。
NIJINアカデミーについて
NIJINアカデミーは2023年9月に開校された不登校の小中学生向けオルタナティブスクールです。約550名以上の生徒が全国38以上の都道府県から集まっています。心理的安全性を重視した授業や子ども主体のプロジェクトを通じて、全ての子どもたちが希望を持てる未来を作ることを目指しています。希望する生徒の9割以上が、在籍校の出席認定を取得しています。
最後に
不登校の子どもたちが社会との繋がりを持ち、「社会を変える」ためのアイデアを考えるこの取り組みは、教育の未来における大きな一歩となるでしょう。将来の社会を共に作っていく子どもたちの参加を心から期待しています。