ICT教材eboardが無償で提供する新機能
NPO法人eboard(イーボード)が、地元の学校や家庭向けにICT教材eboardの新機能を追加しました。これは、文字を読むのが難しい子どもたちを対象とした「読み上げ機能」であり、これにより、さまざまな学び方をサポートします。この機能は公立学校や非営利団体、個人利用向けに無料で提供され、ICT教材eboardにログインすることで簡単に利用することができます。
読みの困難を抱える子どもたち
「読むこと」に困難を感じる子どもたちは少なくありません。文部科学省の発表によると、教育環境の中で特別な支援を必要とする児童・生徒が3.5%程度存在し、視覚障害を抱える子どもたちは約5,000人います。また、日本語の指導が必要な子どもは6万人以上にのぼります。これらの子どもたちは、文字に頼った学習が苦痛となり、学習意欲を失うことがあるため、特別な支援が必要です。
読み上げ機能の必要性
子どもたちは「読む」という行為でエネルギーを消耗しがちで、特に背景に課題を抱えている場合、学習の進展が妨げられます。そこでNPO法人eboardは、すべての子どもたちに学びの機会を提供するために、デジタルドリルに読み上げ機能を追加しました。これにより、「読むこと」に苦手意識を持っている子どもたちに音声で学習内容を届けることができます。
TIS株式会社からの支援
この画期的なサービスの実現には、TIS株式会社からの寄付が重要な役割を果たしました。彼らは、「デジタル技術の恩恵をすべての人々に届ける」ことを目的としており、その目的のもとで特定非営利活動法人日本NPOセンターと協働し、助成プログラムを実施しています。この支援を受け、読むことに困難を感じる子どもたちへ公平にデジタルの利点を届ける環境を整えました。
読み上げ機能の利用方法
この新機能は、ICT教材eboard内のデジタルドリルの問題文、ヒント、答え、解説を音声で読み上げます。利用者はログイン後、設定画面から「音声読み上げ」をONにするだけで利用開始できます。
PCでの使用法: 読み上げたい文章にマウスカーソルを合わせると、該当文が黄色くハイライトされます。「よみあげる」をクリックすると音声が流れます。
スマートフォンやタブレットの場合: 文章をタップすることで、文章が黄色くハイライトされ、「よみあげる」をクリックすることで音声が再生されます。
ただし、小学生漢字や中学生国語は対象外であり、数式など一部の内容についても読み上げができないことがありますのでご注意ください。
未来に向けての取り組み
NPO法人eboardは、「学びをあきらめない社会」を目指して活動しています。福祉や不登校などさまざまな理由で学びを諦めてしまう子どもたちのために、インターネットを活用した学習機会を提供しています。eboardのデジタルドリルは、約10,000問の問題と2,000本の映像授業から成り、全国12,000ヶ所以上の教育機関で利用されています。毎月、20〜30万人の子どもたちがこの教材を活用しています。今後もeboardは、多様な学習ニーズを満たす取り組みを続けていく方針です。
もっと詳しく知りたい方は、eboardの公式ウェブサイトもチェックしてみてください。