高知オーシャンキッズスクールの挑戦
2025年10月5日、高知大学で「高知オーシャンキッズスクール 中部エリア編」が開催されました。このイベントは、子ども達が地球環境や海の素晴らしさを学ぶ機会として、一般社団法人「海と日本プロジェクト in 高知」が主催しました。
小学校5・6年生の17名が参加し、特に注目を集めたのは「アオノリで地球を救う!」というテーマです。この活動は、次世代に美しい海を引き継ぐことを目的としています。
山川海のつながりの学び
最初の授業では、高知大学の伊谷行教授が「山川海のつながり」の重要性について講義を行いました。山から降った雨や雪が川を経て海に流れ込む流れが、どれほど大切であるかを子どもたちは学びました。特に、川と海の境目にある干潟の重要性について理解を深め、多様な生物が住むこの特別な場所が持つ役割について考えました。さらに、ウニやカニなどの生き物を観察することで、子どもたちの環境への興味が高まりました。
地球温暖化の影響
気象予報士の山岸拓氏は、地球温暖化による海水温の上昇とその影響について解説しました。増加する温室効果ガスが気温を維持する一方で、海に及ぼす悪影響を学んだ子どもたちは、高知の特産であるカツオの漁業に影響が出る理由について考えました。これは、稚魚がふ化しないことや、エサとなるプランクトンが逃げてしまうことに起因しています。
海藻研究の最前線
高知大学の平岡雅規教授と難波卓司准教授は、「アオノリで地球を救う」というテーマで海藻研究の最新情報を共有しました。温暖化によりアオノリが取れなくなる問題を解決するため、陸上での養殖研究を進めていることが紹介され、特に「ミナミアオノリ」が注目されています。この海藻は驚異的な成長スピードを持ち、1日で倍増することができるという事実に、子どもたちは驚きを隠せませんでした。
実際に養殖施設を見学した子どもたちは、海藻が二酸化炭素を吸収して資源に変わる様子を目の当たりにしました。この生産物はプラスチックや化粧品、バイオマス燃料に利用できるため、未来の持続可能な社会を作る手助けに繋がることが期待されています。
子どもたちの感想と学び
参加した子どもたちは、海藻観察や顕微鏡での海藻観察、海藻ゼリー作りなどの体験を通じて、海とのつながりや環境問題に対する意識を高めました。彼らは「大人になったらミナミアオノリの研究をしてCO₂を減らしたい」といった感想を述べました。
イベントの最後には、日常生活でできるエコ行動、例えば「エアコン使用を減らす」「水を大切に使う」などについて考え、実際の行動に移すことの重要性を学びました。
未来への取り組み
「海と日本プロジェクトin高知」では、これからも多様な体験学習を通じて、子どもたちに海を大切に思う心を育てる活動を行っていきます。海の素晴らしさを次の世代に引き継ぎ、持続可能な未来を共に築いていくために、地域全体での取り組みが期待されています。