未来の漁師たちが集った『日本さばける塾 in 雲仙』
11月23日、長崎県雲仙市で開催された『日本さばける塾 in 雲仙』。このイベントは、海の現状や魚の変遷を学び、地域の料理を体験することを目的としています。主催するのは一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人 地域イノベーション推進機構。次世代の子どもたちが自然の恵みを理解し、未来の海を守るための取り組みの一環です。
魚との出会いとその仕組みを学ぶ
この日の参加者は、小学生14名。彼らは京泊漁港での養殖サバの見学からスタートしました。サバのイケスでの見学では、目の前で泳ぐサバの姿に興味津々。青い体を持つニボサバが元気に泳ぐ姿に驚きと歓声が広がりました。その後、参加者たちは水槽に入ったサバを網で捕まえる体験をし、その興奮は一層高まりました。
捕獲後、子どもたちはサバをさばく技術を学びました。針金を使ったり、しっかりと締めて鮮度を保つ方法など、実際に手を動かすことで魚を扱う楽しさと難しさを体験しました。この瞬間、参加者たちは魚と深くつながる体験を味わいました。
さばき方を学び、料理へと挑戦
次に、子どもたちは西浜公民館の調理室でサバの刺身作りとカタクチイワシの天ぷら作りに挑戦しました。参加者は2つに分かれて、まずはサバの頭を切り、三枚におろす作業に励みました。とても新鮮なサバは硬くて、大変な作業となりましたが、その分達成感もひとしおです。
そして、カタクチイワシの天ぷら作りでは、慎重に頭と内臓を取り除く「おびく」工程も体験しました。普段はなかなか触れることのない魚の構造を学びながら、料理への理解が深まりました。
新鮮な魚を味わいながら郷土食も学ぶ
料理が完成した後、参加者たちは西浜公民館の広間で自分たちが作った料理を味わいました。ニボサバの刺身は新鮮で、旨みが口の中に広がり、サクサクのカタクチイワシの天ぷらは、何匹でも食べられるおいしさ。さらに、郷土料理の自転車飯(じてんしゃめし)も振る舞われ、参加者の皆さんはお代わりを楽しむ姿が見られました。
会場では、株式会社天洋丸に勤める新人漁師、和田侑也さんから海洋ごみの問題や漁業の魅力についての話もあり、子どもたちだけでなく保護者にも貴重な学びの場となりました。
参加者の感想と今後の期待
最後に、参加した子どもたちや保護者から寄せられた声は、「生きた魚を捌ける体験は貴重で満足」「長崎県での海のイベントが待望だった」といったものです。また、貴重な体験を通じて、親たちも忙しさの中にあった学びを得たことが確認できました。
参加者は、「今後もこのようなイベントがもっと増えれば嬉しい」との期待の声も多く見られ、海の大切さや食文化を伝えるイベントの重要性を再確認しました。
結び
『日本さばける塾 in 雲仙』は、地域の自然や文化に対する理解を深める貴重な機会を提供しました。子どもたちは、魚を通じて海の恵みを学び、次世代へその思いを引き継いでいくことが期待されます。今後もこうした取り組みが広がっていくことを願っています。