海の未来を考える！長崎港の最前線を体験するクルーズイベント開催

8月21日から23日までの3日間、長崎で「長崎港みらいクルーズ」が開催されました。このイベントは、長崎の海での環境保護や自然保護の取り組みを学ぶために、小学5年生と6年生を対象とした体験型イベントです。参加者たちは、洋上風力発電の技術者育成センターや、完全養殖システムの見学、大島造船所の工場見学を通して、海の課題を身近に感じ、自分たちの考えを発信することが目的となっています。

このイベントは、次世代のために美しい海を引き継ぐために、海を通じて人と人をつなげる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環での取り組みです。

イベント概要

- 開催日: 8月21日(木)〜8月23日(土)
- 開催場所: 伊王島、高島、香焼
- 参加人数: 小学5年生14人、6年生6人
- 協力団体: NPO法人長崎海洋産業クラスター形成推進協議会など

長崎港の歴史を感じる出発

長崎港常盤ターミナルを出発し、伊王島へ向かうフェリーに乗ります。その船内からは、長崎港の豊かな歴史を垣間見ることができ、かつて貿易が盛んだった長崎の姿が浮かび上がります。現在は多くの大型客船が寄港しており、道中では世界文化遺産の軍艦島も見ることができます。このような歴史を知ることは、海の課題を考えるうえでも重要なステップです。

洋上風力発電の最前線に触れる

次に訪れるのは、NOA TRAININGでの洋上風力発電についての学びです。日本は広大な経済水域を持ち、洋上風力発電の可能性がありながらも、設置台数は先進国に比べて少ない現状があります。参加者たちは、洋上風力発電の設置・保守について学びながら、実際に訓練を受ける技術者たちの姿を見て、多くの質問を投げかけ、刺激的な体験を得ました。

風力発電を体験するワークショップ

次に、長崎総合科学大学の松岡教授から風力発電の仕組みを学ぶワークショップが行われ、子どもたちは班に分かれて風車の設計を考えました。それぞれの班が独自のアプローチで電力を最大化する方法を議論し、正解を見つける過程自体が教育の一環であることを実感しました。

水中ドローンで海中調査

水中ドローンを使用して、海の中の様子を観察する体験も行われました。防水機器を使って魚やウニを観察し、また、ガンガゼウニの駆除体験も経験しました。この体験では、地球温暖化の影響で増え続けるガンガゼウニが海の生態系に与える悪影響を学びました。

高島へ移動し、養殖の仕組みに迫る

2日目は高島水産研究所を訪れ、高島での完全養殖プロジェクトについて学びました。海洋イノベーション機構の教授から、養殖対象魚「JAPAN鰤」の特性と魅力について教わり、子どもたちはその成長過程に驚きの声を上げました。

最終日の体験と発表

最終日には、3日間の学びを振り返る時間が設けられ、「長崎の未来の海」をテーマに班ごとのアイデアを発表しました。子どもたちが提案したユニークなアイデアとして、エコな発電装置を搭載した船や、自動でガンガゼウニを駆除するドローンなどがあり、それぞれの思考力が成長したことが感じられるものでした。今後もこのようなイベントを通して、次世代の環境への関心を高めていくことが期待されます。

今回の「長崎港みらいクルーズ」は、単なる教育プログラムにとどまらず、海について真剣に向き合う機会を提供しました。参加した子どもたちが持ち帰った学びとアイデアが、未来の海を守る力になることを願っています。