海と緑ヶ丘小プロジェクト~海の学校 2025~
宮崎県の緑ヶ丘小学校では、2025年に向けた特別な海洋教育プログラム「海と緑ヶ丘小プロジェクト」が実施されています。本プログラムは、次世代に美しい海を引き継ぐための一環として、日本財団「海と日本プロジェクト」という大きな枠組みの中で行われています。
プログラムの概要
本プロジェクトは、延岡市教育委員会と連携しており、推薦された小学校の6年生を対象に、海洋学習を重点的に行っています。今年度は『宮崎の豊かな海を未来に残すには?』をテーマにした全6回の学習が予定されています。6月19日の成果発表では、35名の児童が、環境問題や海の生き物の進化について学びました。さらに、校外学習として民話の探求も併せて行われ、地元の海への関心を高めることを目指しています。
第4回目の学習内容
今回の学習では、宮崎大学の西田伸教授が講師を務め、海の生き物の進化や海洋環境問題に焦点を当てました。前半の授業では、延岡の海に棲む生物の多様性について骨格標本を使用した実践的な学びが行われました。児童たちは、さまざまな生き物の骨を実際に手に取ることで、その生物が如何に進化してきたのかを体感的に理解しました。
教室には鮮やかな骨が並び、子どもたちの好奇心が刺激されます。「これ、何の骨?」と問いかける声が飛び交い、教授が説明するたびに目をキラキラと輝かせました。教授は進化の過程について説明し、偶然の変異が生物の生存に繋がることを教え、命の歴史を深く考えさせました。
環境問題についての考察
次に、西田教授は海洋ごみの問題についても触れました。児童たちは、山・川・海がつながっていることを学び、環境問題が生態系に与える影響を実感しました。特に、ウミガメやクジラが誤ってプラスチックを飲み込む事例を示し、深刻な現状を理解する重要な機会となりました。「自然を守るためには、全体を考えることが大切です」との教授の言葉が心に響きました。
地元の文化と海
学習の後半では、地域に残る民話「琴姫の松」を鑑賞しました。地元の海と人々の生活の関係を理解するために、この物語が重要な役割を果たしました。延岡市のリアス海岸の自然環境を背景にした物語は、子どもたちに地域の大切さを教える機会を提供しました。
参加した子どもたちの感想
プログラムを終えた子どもたちの声はポジティブでした。「骨並べは楽しかったし、環境問題についてもっと知りたい」と話してくれる子も。地元の民話に触れたことで、彼らの地域対する理解が深まったこともうかがえました。
次回のプログラムに期待
次回は7月に2日連続して行われ、実際に海でのシーカヤック体験や養殖場の見学を通じて、海の魅力を肌で感じる経験が待っています。子どもたちの海に対する興味が高まることでしょう。
このように、海と緑ヶ丘小プロジェクトは、子どもたちに海と環境問題、さらには地域文化を考える貴重な体験を与えています。未来を担う子どもたちが、海と自然を大切にする意識を育むための活動は、この先も続いていきます。