ファミリーピアサポートの10年
NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ(通称ファミラボ)が、ついに設立から10周年を迎えました。2008年に不登校を経験した4人の母親から始まったこの活動は、10年間にわたり多くの保護者を支援し、心のつながりを深めてきました。具体的には、同じ境遇の親たちが集まる場の提供や傾聴勉強会などを通じて、互いに支え合うコミュニティを形成しています。
どのように始まったのか
ファミラボの最初の形は、SNS「mixi」に設立した掲示板でした。不登校や学校のことで悩む親たちが、オンライン上で安心して情報交換や相談を行える場を求めて集まったのです。その後、SNSを通じて親たちが実際に会う傾聴サークルの活動が始まり、大阪、名古屋、東京での勉強会や交流会を定期的に開催するようになりました。
法人認証を受けることができた2015年以降、ファミラボの活動はさらなる広がりを見せ、現在ではオンラインを含めた12の会場で展開しています。会員数も350名を超え、全国で1,770名の親たちがmixiの掲示板を通じてつながりを持っています。
親同士の支え合い
ファミラボの特筆すべき点は、その運営がすべてボランティアで行われていることです。全てのスタッフは当事者である母親たちで結成され、活動にはこれまでに200名以上が参加してきました。親同士での支え合いや傾聴を通じて、同じ立場だからこそ気持ちがわかる視点でサポートできるのです。
傾聴勉強会では、親自身が学び成長することで家庭全体に安心感をもたらし、子どもたちの心の安定を図ります。親から子へ、その安心感が広がっていく様子はまさに循環的です。
不登校のその後を支援
不登校という状況は、一時的には大きな不安をもたらしますが、ファミラボの活動を続けることで多くの子どもたちが自分らしさを見つけ、未来へ向かっています。発足当初からのメンバーが幾人かは35歳を迎え、それぞれが独自の道を歩んでいます。中でも特に注目すべきは、中学3年時に不登校であった子ども63人に関する調査結果です。5年後の実績では、就学・就労していない子どもがわずか3人(約5%)という結果が出ており、この活動の重要性を裏付けています。
未来を見据えた活動
最近では、他団体との連携が増え、各地の市民活動団体や行政機関、企業と連携して新たな取り組みを進めています。また、大学との連携においても進んでおり、研究協力を通じてさらなる理解を深めようとしています。これからの活動では、より多くの人々とつながりを持ち続け、互いに学び合いながら活動を発展させていきたいと考えています。
記念イベントの開催
10周年を迎えた今年、ファミラボでは全国大会「ファミスペ2025」を大阪で開催予定です。このイベントでは、不登校の子どもを支援するための様々なプロセスや就労支援について話し合う場を設けています。参加希望者は早めの入会をお勧めします。
終わりに
ファミラボの代表者である谷田ひろみさんは、4人の母親から始まったこの活動が多くの人々に広がり、今や多くの親たちが支え合う輪となったことに感謝しています。今後も安心して成長できる社会を目指して活動を続けるとのこと。
公式ウェブサイトでは、今後のイベントや入会案内も随時更新されていますので、チェックしてみてください。