愛知県豊橋市が進める保育士確保に向けた民間協働の新戦略

日本全体で深刻化している「保育士不足」という課題に直面する中、愛知県の豊橋市が新たな取り組みを始めました。これは民間企業と連携し、保育士確保や復職支援を目的としたプロジェクトです。豊橋市は、「保育士が安心して働ける街」を目指し、以下の3つの柱を設定しています。
1. 新たな保育士の就業促進
2. 保育士の離職防止
3. 潜在保育士の復職支援

最近の調査によると、保育士不足は全国的な問題となっており、多くの地域で保育士の確保が困難になっています。この問題を解決するために、豊橋市は独自の取り組みを7月15日にスタートさせました。
市は、官民協創の一環として「逆プロポ」の仕組みを活用し、パートナーシップを築いたのは復帰・就労支援に特化した「エンパワー・サポート株式会社」です。これにより、保育士確保に向けたアンケート調査を実施し、潜在保育士が復職しやすい環境を整えていきます。

実施される取り組み

【取り組み①】アンケート調査で実態把握

豊橋市は、保育士資格を持つ方々にオンラインでアンケートを実施します。この調査では、以下の項目が主な質問内容です。

- 現職保育士の働き方
- 潜在保育士が保育職についていない理由
- 復職希望者の条件

このアンケートを通じて、現職保育士の負担を軽減し、潜在保育士の復職支援につながる新たな方法の検討材料とします。さらに希望者には、復職支援プログラムへの参加を促し、今後の支援につなげていく、という方針です。
調査の期間は令和7年7月中旬から9月末までです。
0132
在職中の保育士には、仕事の負担感や満足度などについて質問し、二次元コード付きのチラシを市内の保育施設に配布します。自分の名前や所属を記入することなく匿名で回答できる仕組みが整えられています。
潜在保育士に関しては、資格取得後の状況や、復職希望の条件について尋ねるなど、広報や公共機関、店舗掲示を通じて周知を行います。

【取り組み②】実現可能な働き方の検証

次に、潜在保育士が復職しにくい理由を探るための実証実験も行われます。「フルタイムでの勤務が難しい」という仮説が立てられており、実際に何が障害になっているのかを明らかにすることを目指します。
特に、長いブランクを抱える潜在保育士たちは復職への不安を感じていることが多く、これを解消するためのワークショップを開催します。
また、希望者には「ちょこっとほいく」と呼ばれるマッチングサービスを利用して、短時間もしくは短期の勤務を希望する場合に、保育園との連携を図ります。この実証実験は令和7年9月から12月末にかけて行われる予定です。