日本と他国における親の『子ども観』とその将来への期待
近年、公益財団法人スプリックス教育財団が実施した「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子ども国際調査2025」では、保護者が抱く子どもに対する期待とその認識が国によって異なることが明らかになりました。本調査において、日本を含む11か国の小中学生の保護者を対象に行われた質問の結果が示すものとは、非常に興味深いものでした。日本の保護者は、子どもを「家族や友人を大事にする存在」として捉え、将来においても「身近な人々との関係を重視する」ことを期待する傾向にあります。その一方で、他国の保護者、特にアメリカやヨーロッパ諸国の保護者は、より『社会貢献』や『経済的自立』といった社会的役割を期待する傾向が強いという結果が出ました。
子ども観:感情的な関係を重視する日本
調査結果によると、日本の保護者の90%が子どもを「喜び」として捉え、次いで「かすがい」や「心配の種」といった感情的な存在としていることが示されました。同時に、他国の保護者の中では「喜び」のスコアは67%であったものの、社会的役割としての期待は高く、「社会貢献」や「自立」を重要視する傾向がありました。これは、日本が家族との感情的なつながりをより重視している一方で、他国は子どもの成長を社会の一員として見る傾向が強いことを示しています。
将来への期待:身近な関係と社会的役割
子どもが将来どうなってほしいかという問いに対して、日本の保護者は「自分の考えを持つ人」(68%)や「家族を大切にする人」(58%)といった身近な人間関係を重視する回答が多く見られました。一方で、他国の保護者は、「経済的に豊か」(41%)や「社会のために尽くす」(35%)といった回答が多く、社会的・経済的な成功を期待する傾向にありました。この違いは、文化的背景を反映したものであり、日本が感情的な絆を強く感じているのに対し、他国は子どもの自立をより重視していることが示唆されています。
親の子ども観が将来の期待に与える影響
調査を通じて、日本と他国では親の『子ども観』が将来への期待に影響を及ぼすことが確認されました。日本の保護者は、子どもを「親の喜び」として捉えることで、子どもにも身近な人間関係を重視することを期待する傾向が見られます。それに対し、他国では独立した存在としての認識が強く、経済的な成功や社会貢献を重視する結果となっています。
教育への影響
このように、親の子ども観と将来への期待が異なることで、学習行動にも影響が出る可能性が高いです。日本では、友人の行動に影響されやすい傾向があり、「友だちがやっているから私も」という行動が見受けられます。この場合、保護者が持つ価値観が反映されていると言えるでしょう。一方、他国では家族の期待を受けることで、学習動機が社会的・経済的なものとして示されることが多いです。
おわりに
この調査から得られた結果は、日本の保護者が持つ独自の価値観に基づいた子ども観と、それに伴う将来への期待がいかに形成されているかを明らかにするものでした。このことは、国ごとの文化的背景や教育環境を考慮する上で重要な視点となるでしょう。今後も、スプリックス教育財団は、保護者の期待が子どもの成長や進路選択にどのように影響するかをさらに深く分析していく予定です。詳細な調査結果については、後日公開される報告書をぜひご確認ください。